最近とても気になる原油の高騰

今日は少し最近大変気になる事について書きたいと思う。全く塾とは無縁の話題に思えるかもしれない原油高騰の話である。

 教室を始める前英語が分るということで、友人のやっている貿易業務を手伝ったことがある。大した仕事はしていなかったが、輸入にしろ輸出にしろ為替の動きに胃の痛い思いをしたことを覚えているが、その時にも原油がじりじり上がり始めており、1バレル10ドル台だったのが20ドルになりそうだと言って、船舶輸送関係者が心配していた。それが今日6・24現在60ドルにもなっているという。まともに考えても運賃が3倍かかる計算だ。そしてその影響はじりじり私たちの生活に、すでに影響が出始めている。ガソリンの値段が顕著に最近上がりはじめたし、省エネが進んできたと言ってもまだ化石燃料の依存度は大きいから、日常生活に必要な電気やガス代の値上がりは仕方ないかもしれない。せっかく世界的な不況から脱しつつある兆しが見え、日本経済も停滞から上昇基調になり始めたというのに、ここでもっての原油高は、また景気上昇を阻む大きな要因になってくるかも知れない。

 原油高がどれほど直接我々の生活に、影響を及ぼしているかうまく説明できないので、参考資料として少し古いが読売新聞の記事を添付しておきたい。これを読むと何やらこの原油高に不安を抱く理由が、わかっていただけるであろう。『節約』するのが我々に出来る唯一の方法かもしれない。



(以下は2004年10月26日 読売新聞より)

原油高騰 1ドル上昇ごとに… ガソリン 0.7円/リットル 値上がり冬控え 灯油への影響これから原油価格が高騰しています。原油はガソリンや灯油、さらに、プラスチック製品やビニール袋など、身近な商品の原材料になっています。原油の高騰と消費者への影響について勉強しましょう。

(五十棲忠史)


受講生の主婦Y子さん
 「原油価格がどんどん上がっていますが、その背景は」

大手町博士
 「中国で需要が大幅に増えていること、イラク情勢が混とんとしていることなどの要因が重なって、値上がりしているんだ」

日本エネルギー経済研究所主席研究員の十市(といち)勉さん
 「今回の原油高は石油ショック時と違い、一気に上がったわけでなく、長期的には1998年末ごろから、短期的に見ても昨年春のイラク戦争後から、上昇局面にあります。1バレル(約159リットル)当たりの価格は、80年代後半から90年代にかけ、湾岸戦争前後の一時期を除き、10ドル台で安定していました。その間、生産能力を増強する投資があまり行われなかった結果、需要増に供給が追いつかず、値上がりの原因になってしまいました。世界の総需要は1日約8000万バレルと言われていますが、余剰生産能力は100万―150万バレルに落ち込んでいます」

 原油価格の指標となっているのは、ニューヨーク・マーカンタイル取引所原油先物市場で取引されるテキサス産原油エスト・テキサス・インターミディエート(WTI)だ。22日の取引で、過去最高となる55・50ドルを記録した。10ドル台前半だった98年12月の約4倍、20ドル台後半だった昨年5月の約2倍の水準だ。

UBS証券の石油アナリスト伊藤敏憲さん
 「先物市場には、投資目的の資金も大量に入り込んでいます。WTIの先物は3億バレルも取引される日もありますが、実際の生産量は1日数十万バレルに過ぎません。明らかに異常な数字です。原油はもはや、需給だけで値段が決まる商品ではなく、ちょっとした材料で価格が乱高下する状況なのです」

受講生の会社員M男さん
 「原油が値上がりすると、ガソリンや灯油はどのくらい値上がりするの?」

石油連盟広報グループ長の浜林郁郎さん
 「1ドル=110円の場合、原油が1バレルで1ドル上がると、ガソリンや灯油のコストは1リットルで約0・7円上がる計算になります」

 石油情報センターによると、10日現在のガソリン価格(全国平均)は1リットル119円と、3月に比べ14円値上がりした。灯油価格(同)は1リットル55・2円で、8・9円の値上がりにとどまっているが、冬場には5円ほどの値上がりを予想する向きもある。

浜林さん
 「(WTIの価格が30ドル台半ばだった)3月以降、原油は約20ドル上がっていますから、ガソリンの14円の上昇は、ほぼ計算通りになります。灯油も原油から作るので、コストは同じくらい上がっているのですが、まだ本格需要期でないこともあって、コストの上昇を反映しきれていません。規制緩和が進んで競争が激化している石油会社にコストを吸収する余力は十分にはなく、消費者にも負担してもらう必要が出てきます」

Y子さん
 「原油価格は、まだ上がってゆくの?」

新日本石油国際部長の河野廉(やすし)さん
 「短期的には、原油価格が下がる要因は見あたらず、WTI価格は55ドル近辺で推移すると考えます。アメリカに寒波が来たりすると、さらに上がる可能性もあります。需要期の冬が過ぎるころには、40―45ドル近辺まで下がるでしょう。ただ、供給量を増やすことは容易ではなく、昨年の平均価格の31ドルまで下がることはないと見ています。価格が高水準で安定すれば、開発意欲を刺激し、掘られていなかった高コストの油田を開発する動きが活発化するかもしれません」

博士
 「今回の高騰をきっかけに、限りある資源である原油を、今まで以上に大切に使うことを考える必要がありそうだね」