成績が上がらないのは・・・

   11月になり秋の深まりを感じる今日この頃ですが、気温が急に下がったせいか、風邪気味の生徒が増えてきました。こじらすと今年の風邪は肺炎になりやすいそうで、看護士の知人が最近大変忙しいとぼやいていました。教室で先生が肺炎なんかになったら、しばらく教室閉鎖になり生徒達に大変な迷惑をかける事になります。校区の中学の期末テスト発表も10日後に控え、自分の体はもはや自分だけのものではないと痛感しております。

   今週も先週同様、都麦出版の鳥居社長のコラムより興味深いお話がありましたので添付したいと思います。

   塾の仕事は学校の成績を上げる事、受験に合格するお手伝いをする事ですが、同じ事を教えても生徒によって成績はまちまちで頭を悩ませます。だから個別指導をしているのですが、いくら個別に授業をしてもさらに他に時間を取り個人授業をしても、全くやる気がなかったりぜんぜん自己学習をしていない生徒は、やはりやる気があり、自己学習を十分自宅でやっている生徒に比べれば成績は芳しくありません。この当たり前の事が保護者も講師もわからなくなるようです。
 そして、保護者によっては「そこを何とかして成績を上げるのが塾でしょう!?」と開き直るそうです。塾の先生はまじめな方が多いのでその開き直りをまともに受け止め、成績不振の原因は全部自分の指導にあると考え、サービス残業ならぬサービス授業、特別授業をやったりします。しかし、根本的な理由はもっとちがう所にあることが多い事を下記のコラムは教えてくれています。
   体の病気と同じで「勉強分からない病」は本人の分かるようになりたいという気持ちがない限り、また家庭などの協力がない限り治らないのです。

  






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┃1┃どうする学力 「反復」せず基礎力低下
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◆上がる無回答率
 授業のこつを伝授しようと、仙台市教委が本年度発行した「授業改善事
 例集・中学校編」。数学を担当した五橋中の小川彰教諭は「ゆとり教育
 の名の下で削減された単元の多さに、ため息をついた。

 「数学の『驚き』や『発見』を伝える図形の項目が削られた。驚きも発
 見もない授業では、生徒の学習意欲を喚起することは難しい」

 2003年実施の新学習指導要領で教科書はスリムになり、難しい単元
 は高校へ先送りされた。中学2年、3年の数学の授業時間は週4時間か
 ら3時間に減った。

 「数学の醍醐味(だいごみ)の1つ」(小川教諭)である円という図形
 の不思議さ、奥深さを示す「接弦定理」や「内接四角形」も教えなくな
 った。

 小川教諭は「以前は方眼紙を切ったり、模型を使ったりして面白さを教
 えた。しかし、授業時間減で教師側にもそんな余裕はなくなった。生徒
 の興味を引き出すのは至難の業だ」と言う。

 読み解く力を養う国語でも、悩みは深い。

 事例集づくりで国語を担当した仙台市教育センター指導主事(当時寺岡
 中教諭)の佐々木成行さんは「例えば『百字以内でまとめなさい』と
 いう思考力を試す設問での無回答率が増えている」と明かす。

 あきらめが早く、自分の考えを文章で表せない生徒が増えた。「以前は
 何とかして答えを導き出そうとする姿勢が見えたのに…」と、佐々木さん
 は肩を落とす。

◆効力失う「受験」
 少子化が進み、2007年には大学志願者と入学者数が一致する「全入
 時代」が到来する。不況下で大企業の倒産も相次ぎ、「一流大学→大企
 業=豊かな生活」の価値観は崩れて、子どもたちの勉強に対するモチベ
 ーションは低下しているとみられる。

 宮城教育大の平真木夫・助教授(教育心理学)は「社会情勢の変化で、
 教える際、『受験に必要だから』という言葉は効き目がなくなった。
 『分かる=面白い』と思わせる必要性が高まっている」と指摘する。

◆ふるいにかける
 仙台市青葉区の学習塾「艮陵舎(ごんりょうしゃ)は今春、入塾のハード
 ルを上げた。入塾希望の中学1年生を対象に小学校全般の算数、国語の
 テストを行い、一定のレベルに達しているかどうかを確認した上で、親子
 面談で「宿題をやらないなら、塾をやめてもらう」と“宣言”した。

 「この数年で子どもの学習意欲は著しく低下した。以前は指摘すれば生徒
 は付いてきたが、いまはさっぱり駄目。意欲がない子どもがいると全体の
 足を引っ張りかねない。やむを得ずふるいにかけることにした」

 塾の経営者はこう説明する。看板も揚げず、口コミだけで生徒を募る小さ
 な塾。隅々まで目が行き届くことから、学力の底上げには自信があった。
 しかし、勉強に興味を示さない子どもの学力を上げるのは難しい。

◆思考力養われず
 「この3、4年、面談のとき『(子どもに)勉強のやり方を教えてほしい』
 と訴える親が増えてきた」

 仙台個別指導学院など仙台市を中心に34教室を展開する地元大手「プラ
 ザ予備校グループ」の成田教室(宮城県富谷町)教室長、山根伸吾さんは
 複雑な表情を浮かべる。「勉強のやり方が分からないというのは、イコー
 ル意欲低下の表れで、言い訳でしかない」と実感するからだ。

 「ゆとり教育」の下、学校ではドリルや書き取りによる反復学習や暗記に
 時間を割かなくなった。そのため、計算力、語彙(ごい)力といった基礎
 学力が低下した。基礎がないから考える力が養われない。「自主性を重ん
 じる」という考えが浸透し、教師は宿題を出さない傾向にある。
 
 成田教室があるのは、仙台市泉区に隣接する新興住宅地。教育熱心な親が
 多く、学校でかなえられない学力向上に関する注文は、塾に寄せられる。

 山根さんは「学校で教えるべきことも塾の役目んありつつある。学校は
 『考える力を養う』という抽象的な教育方針ではなく、マニフェスト
 ように具体的方針を掲げ、責任持って教育に当たるべきだ」と話す。



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┃2┃早寝・早起き・朝ごはん、生活改め元気に育て
┃ ┃――学校・地域連携、文科省が推進
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子どもの基本的な生活習慣が乱れ、学習や体力にも影響しているため、文
部科学省は来年度から、学校やPTA、自治会と連携し「早寝・早起き・
朝ごはん」の規則正しい生活リズムを身に付けるよう呼びかける運動を始
める。早朝マラソンや夜の盛り場巡回などを地域ぐるみで行うモデル事業
を全国235カ所で展開。学習塾に夜遅い授業の自粛を要請することも検
討する。

事業の名称は「子どもの生活リズム向上プロジェクト」。来年度予算の概
算要求に必要経費2億5千万円を盛り込んだ。中央教育審議会の議論でも
「夜型」に偏った生活習慣が子どもに悪影響を及ぼしているとの指摘が相
次いでおり、同省は各地の取り組みを支援していく考え。

中心となるモデル事業は、日本PTA全国協議会などと実施する。「早起
き」関連では早朝のマラソンウオーキング、ごみ拾い、ラジオ体操など。
「早寝」では夜、コンビニにたむろする子どもたちに声をかけ、帰宅を促
す活動などを想定している。「早寝・早起き・朝ごはんで元気になろう」
などの標語をつくり、「ノーテレビ・ノーゲームデー」を設けることも勧
める。

2007年3月にも全国フォーラムを開催し、各地の成果を報告し合う予
定。

学習塾に対しては、小学生を対象とする授業が夜遅くならないよう要請す
ることを検討する。同省によると、受験競争が過熱した1970―80年
代に同様の要請をしたことがあるという。

こうした取り組みを効果的に進めるため、他省庁とも連携。厚生労働、警
察、総務、法務、内閣、農林水産、経済産業、国土交通、環境の9省庁府
に呼びかけ、連絡会議を設ける。文科省は「モデル事業などを通じて、子
どもの生活習慣の重要性を認識してもらうのが狙い」としている。

文科省によると、午後10時以降に就寝する幼児(六歳以下)の割合は
1990年度には31%だったのが、2000年度は50%に上昇。朝食
を食べない子の割合も、95年度の小学生13%、中学生19%が00年
度にはそれぞれ16%、20%と増加傾向にある。

小学5年―中学3年を対象にした03年度の教育課程実施状況調査では、
すべての教科・学年できちんと朝食をとる児童生徒ほど得点が高い傾向が
出ているという。

教育評論家・尾木直樹氏(法政大学教授)の話 学力・体力向上のために
子どもの生活習慣改善に取り組む必要があるという認識は正しいが、生活
の乱れは家庭だけの責任ではない。労働の過密化、所得の変動など様々な
問題が背後に横たわっている。

国の役割はまず、社会的背景にメスを入れ、学力低下との相関関係が生じ
ている理由を解明し、処方せんを示すこと。実際に何をするかは家庭や学
校、地域社会が子どもも交えて議論し、実情に沿った対応を進めていくべ
きだろう。生活習慣の乱れは学力や体力にも影響する。〜





 
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