祝 「高知県歌謡選手権、歌って走ってキャラバンバン 30周年」

毎週金曜日か土曜日に書いているこのブログですが、昨日「高知県歌謡選手権」決勝大会がありそれに参加していて、その事を書きたくて今日(日曜)になってしまいました。

   この選手権は地元テレビ局がもう30年もやっている、高知では知らない人はいないくらいの、長寿人気番組です。今年が30周年記念大会ということで、私は過去の優勝者として参加し、審査の一部を歴代優勝者とともに担当させていただきました。正式名を「歌って走ってキャラバンバン」といい、決勝大会は毎年豪華ゲストが来演、今年は八代亜紀ほか、そして審査委員長には大御所の市川昭介氏がずっと務められています。県下各地の予選を勝ち抜いた20名が本選で生バンドをバックに歌い、また生放送で県下一円に放送されます。いわば県下カラオケファン、歌謡曲ファンの夏の一大イベントです。30年も続いていますから以前参加された方の子供さんや、お孫さんが参加されるほどで「歌好き人間」にはたまらない魅力があります。
    私事になりますが、教室を開いた20年前は広告代がほんとに無くて何とかしないと・・・と考えていました。すると浮かんだのが「教室をやっている自分が有名になればいい・・・」と気が付きいろいろ手立てを考えていました。今も続いている新聞投稿も以前は住所までしっかり載っていましたから、私の意見を述べるには役立ったと思いますが、いまいちインパクトに欠けます。何かないか・・・と思っているとテレビから「キャラバンバン出場者募集中!」が聞こえ「これだ!」と思いました。
    学生時代からずっと吹奏楽を続けていて、楽器演奏のみならず指揮や作曲、編曲を学び実践している自負から、「参加者の中で俺ほど音楽を勉強しているものはいない、しっかりボイストレーニングをして参加すれば楽勝、楽勝・・・」と臨みましたが結果は地区大会準優勝、しっかり反省、傾向と対策を講じ「審査員は演歌には厳しく、マイナーの曲、そしてバラードを好む傾向がある・・・」と分析、翌年は準備万端で出場しました。そのとき選曲が「悲しい色やね」です。そしたらそこでも結果は準優勝、ちょっと合点がいきませんでしたが、司会の方から「今一歩・・・残念!」と声をかけていただきました。両年とも選ばれたのが若い女の子だったので、「こういう事なら勝てないなぁ〜・・」とあきらめそれ以来遠ざかっていたのです。

     それから11年、世帯を持ち子供が出来て音楽にその子供たちが興味を持ち始め、おもちゃのマイクを握り締めて歌うようになったのです。「お父さんは歌はうまいんだぞ!」を見せたくて広告会社にいる友人の勧めもあり、平成9年にエントリーしました。幸いにして審査員が以前と変わっていなかったので、選曲はもちろん「悲しい色やね」です。久しぶりだったので「悲しい色やね」の楽譜を自分で採譜し、まずリズムをしっかり体に叩き込み、長音の音程を確認しました。ノンビブラートで音程を取り少しずつビブラートを増やしていきます。マイナーの曲なので少しフラットに取るとより効果があります。カラオケボックスにキーボードとカセットレコーダーを持ち込みエコーなしで歌い、何度か録音プレイバックして自分なりにそこそこ仕上げて、準備万端で予選に臨みました。とても暑くまた出番が一番最後だったもので、3時間の待ち時間にテンションを保つのが大変でした。結果は圧倒的な得点で地区優勝!審査員から「プロのようだ・・・」との評価でした。しかし、放送を聴くとまだまだで、また本選は1500人の大ホールで生バンドで歌わなければなりませんが、私には全く問題ありませんでした。カラオケとは違って生の音は遠くに飛びます。その音がさらにPAで大きくされますからかなりの声量、上手なマイクコントロールが必要になります。放送で聞いてすごいうまい人が本選会場で勝てないのは、会場の後まで自分の声が飛んでいなくて伴奏にかき消されるからです。そこら辺の生の音を審査員は会場で聞いているのですね。多分私のような経験が無いとわからないことです。
      それで私は本選に向かって大ホールの後の席まで声が飛ぶように、腹式呼吸の練習を徹底、また歌詞の音読を開始し気持ちを入れての歌詞朗読を録音研究して、ビデオカメラで歌っている姿勢を確認し本選に出ました。久しぶりの1500人の満員のステージでのパフォーマンス、プロの生バンド、そしてゴージャスな照明にTVカメラ。楽しかったですね。自分なりに研究していったのでまたリラックスできましたから、ベストで歌えたのです。そして公演の合間にまだ半分しか出演していないのに、審査員から名指しで「とても良い歌を聴かせてもらった・・」と言われた時からが一番ドキドキしました。常連で本選に臨んでいる方もおりましたが、私の存在は誰一人知らなかったようですし、私が上記のような経験、練習、分析をしているなど知る由もないでしょう。最後に市川昭介氏からは「歌詞に気持ちを込めた魂の歌でした。」との評価をいただきました。

       そんな訳で今年参加したと言う事です。でも今年は「歌謡選手権」始まって以来の洋楽からの優勝者が出ました。クイーンの「I was born to love you」を熱唱、パワーとパーフォーマンスで圧倒していました。暗い地味な演歌ではなかなか勝てないかもしれません。ヘビーメタルの曲とか出てくるかも知れませんね。30周年で新たなページにこのキャラバンバンは到達したといえるでしょう。「Power of Love」なんか聴き応えがしそうですね。

     NHKの「あの歌が聞こえる」にストーリーを応募し、おかげさまで採用され放送される事になりました。9/20(水)午後10:45からです。私の学生時代のほろ苦い思い出が「釣りバカ日誌」で有名な、北見けんいちさんによってマンガ化されます。なぜ「悲しい色やね」をこの歌謡選手権で選んだかが、番組を見ていただければよりご理解いただけるでしょう。この曲にはやはり深い思い入れがあります。まさに私には「魂の歌」なのです・・・
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%82%E3%81%AE%E6%AD%8C%E3%81%8C%E3%81%8D%E3%81%93%E3%81%88%E3%82%8B

  平成18年9月26日 作曲家の市川昭介氏が逝去されました。ここ謹んでお悔やみ申し上げます。