あるコンサート

 9月10日、高知市から西南に140km離れた愛媛県境の宿毛市でのコンサートに参加した。懇意にさせていただいている方のお手伝いで、もう十年以上になる。その方の「文化教室やサークル活動などに発表の場を提供し、また多くのカラオケファンにはやみつきになる生バンドでのバック演奏を通じて、少しでも地元が元気になってその収益金を社会福祉施設に寄付をすれば、より実り多い物となる。」という考えに、私は強く共感し友人達と毎年はせ参じている。地元からは今年も100名を越すボランティアが手伝っていた。
 お金を払っても人には動いてもらえない昨今、自分で自腹を切って片道3時間半かけ、休日を利用しながらも毎年お手伝いしたいのは、スタッフの方々の暖かい気持ちにふれられ、また仕事などで後進に席を譲った私の30年以上の音楽活動の知識や経験が、まだ十分役に立つ喜びに他ならない。
 立ち見も出た満員のホールで、多くの方々に喜んでもらえたシーンを友人達と思い出しながら、心地よい疲労感のなか再び片道3時間半の帰路についた。