まだまだ早すぎる学校のタブレット端末授業

 ある塾業界のメールマガジンの記事であるが、佐賀県でのタブレット端末導入はやはり、私が予想していたような問題が起こっているようだ。佐賀県はなぜここまで突っ走るのだろう?地元佐賀に有力なパソコンメーカーでもあるのだろうか?富士通製品を使っているようだが、メーカーはきっと先を見越して佐賀県を他県の実験台にしているのだろ・・・。教える方も使う方も教材側(サーバー)もすべてがまだ環境が整っていないのだ。それらを整えるにはまたお金もかかるし、利権も発生するかもしれない。だから他県はここでの結果を利用しようとしているのだろうが、佐賀県は話題性や先見性を考えての事かもしれない。
 下記の記事を見てもらえばわかると思うが、いくら小学校でタブレット端末学習が広がっても、上の中学、高校、大学入試、公務員試験や就職試験などがその形式をとらないと結局は意味はないのである。だからタブレット端末でやって最後は手書きのノートでまとめる。どんなデジタル学習も最後はそんなアナログ学習が一番効果があるが、このような一見進んでいるように見える学習法を推進する方々は、「そんなことをするならタブレット学習の意味がない・・・。」とか聞こえてきそうだ。しかし、何か問題が起こるとその問題を解決するために全部のタブレットに対応するための機器や人材がが必要になったりするから、お金もそのたびに膨大に必要になる。デメリットとメリットを考えるとやはり佐賀県教委は全国的に注目されるスタンドプレーをしたかったのだろうか・・・とか邪推してしまう。
 仮に小学生で与えたタブレット端末をみんながみんな中学卒業するまで、大事に使うわけがないことが分からなかったのだろうか・・・、パソコンでも3年で古くなり5年で破棄するというのに、パソコン使用学習塾を10年やってみて実感することは、ソフトとハードの管理はパソコンが各自用に10台以上もあると本当に大変で、ソフトの更新しただけで今まで使っていたソフトが動かなくなる事などざらなのだ。そのたびに私は深夜まで教室でメンテナンスしながら、常に私の教室のパソコン学習は最良の状態でできている。佐賀県では教員採用試験でパソコン以外にタブレット端末のメンテの試験もあるのであろうか・・・佐賀県は先生へのなり手がますます少なくなりそうな気がしてしまう。
 タブレット端末はこれから社会的に普及するだろうか、携帯する端末としてはスマホで十分であり、仕事には既存のパソコンが多い今の現状を考えても中途半端なタブレットスマホのようには普及しないと思う。それならいっそのことスマホ端末での授業をやったらどうだろうか? ただでさえ児童生徒が使用するのに問題が多いスマートフォーンである、教育委員会が使うわけはないか・・・。
 私は高知県でのタブレット端末使用授業導入には今の段階では絶対反対であり、まずは今あるパソコン教育を充実し併用したアナログ的な自立学習の確立が急務である!

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◆「1人1台タブレット」の通信簿、佐賀県の福田孝義副教育長に聞
く、教師の不安解消に時間、教材ダウンロード改善へ協議。
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 佐賀県が全県で始めた「1人1台タブレット」の取り組みが全国の教育・
IT(情報技術)関係者から注目を集めている。最初の学期から得られた学
びは何か。佐賀県副教育長で、取り組みを推進してきた福田孝義教育情報課
長に聞いた。(1面参照)

 ――教材のダウンロードに手間取りました。
 「総務省が推奨する毎秒100メガ(メガは100万)ビットの回線を各
校に敷設したが、それでも問題は起きた。一部の教材会社の仕組みでは著作
権保護のため、会社のサーバーにデータをとりに行く必要があり、負荷が集
中した」

 ――どう改善しますか。
 「今春はUSBメモリーに切り替えたり、1ギガ(ギガは10億)バイト
の教材を200メガバイトの章ごとに分割したりする方法をとって何とか全
員の端末に教材を入れた。来年度に向けては、すでに教材会社と協議してい
る。教材会社のサーバーに毎回認証する方式をやめてSDカードなどで提供
してもらえないか話をしている」

 ――現場と教育委員会の温度差を感じます。
 「ダウンロードの問題と並んでもう一つ想定外だったのが、経験不足から
くる教師の不安だ。生徒にとってヒーローであるべき教師が自信を持ててい
なかった」

 「このため研修のプログラムを見直した。4月の入学式までに実施したタ
ブレットを知ってもらうための研修、使いこなすための研修に続き、4月か
らはそれぞれの教師が自分の個性を出すための研修を実施しようとしたが、
秋まで遅らせる。もう少し使いこなすために時間が必要だ」

 ――端末の故障への不満も多く聞かれました。 「ビジネス向け端末と学
習向け端末の違いがあらわになったが、アフターフォローで対応できる。今
回の入札で価格面で条件に合ったが富士通だけだった。大きなトラブルが起
きたり、驚異的に安い製品が登場したりしない限りは富士通製を数年続ける
つもりだ」

 ――1人1台タブレットを推進する意義に変化はありましたか。
 「教育の質向上という観点からは電子黒板で十分かもしれない。本当の意
味で学びの質を向上させ、生徒が自分で成長するには1人1台が必要と実感
した。学習の主導権が教師から生徒に移る。自分の得意分野や勉強したい内
容を深掘りしたり、資格試験に活用したり、自由に使ってほしい」