公立中学が夜に大手学習塾になるという話

公立中で進学塾「SAPIX」が講座、杉並の和田中学



 リクルート出身の藤原和博氏が校長を務める東京都杉並区立和田中学校は学力向上や受験対策を目的に大手進学塾「SAPIX」(東京)と連携し、2年生を対象にした講座を来年1月より開設する。

 講座の名称は「夜スペ」で、127人いる2年生の中の希望者が対象で、保護者らでつくる同校の支援組織「地域本部」が主催する形をとる。講師はSAPIX中学部から計3人が派遣される。教材は藤原校長を含む和田中の教員が作る。

 定員は15―30人。2年生127人のうち、20人前後が参加する見通しだ。参加希望者を対象に、学力把握が目的のテストはするが、意欲があれば希望者全員を受け入れるという。日経新聞より


と言うニュースが昨年もたらされた。最初わが耳を疑ってしまった。よく話を聞いてみると校長の考えは「今の教育は中途半端で上位のものも下位の者も切り捨てられている教育がなされている。これは伸びようとしている芽をつむものであり、私はこのような優秀者に光を当てるために「落ちこぼれは拾わない」教育を目指すためにこの夜スペを考えている・・・」との見解表明であった。考え方は分らなくもないが、そのために大手学習塾業者と結託しその指導をそこの講師に任せ、教材はその中学の先生とその業者が一緒に作るという事に私は疑問を感じるのである。公務員と特定業者との癒着問題が今の国会でも問題になっているさなか、そのような疑いを受けるような行動はいくら生徒のためでもやるべきでない。やるなら学校の先生や教員OB、もしくは教員希望の大学生などを使うべきだろう。しかし、民間出身の藤原校長の事だから多分その事も考えた上で、業者導入は決めたに違いない。進学塾の進学ノウハウをそのまま利用するのだろう。一歩下がってこれがうまく回り始めたとしよう、優秀な生徒は昼間の学校の先生の授業はまじめに聞かなくなる、「夜の塾の先生のほうがずっとわかる・・」てなことになってしまえば、一緒に教材まで作った学校の先生は結果的に自分の立場を悪くする「大馬鹿野郎」と言わざるおえない。

      一度は難色を示した都の教育委員会も、認める方向だという。もしこれが拡がったらどうなるだろう、隣の中学校はまた違う塾が指導することになったとしたら、塾同士の競争になってしまいかねない。生徒にはお金の負担も必要なこの話、学校がここまでする必要があるのだろうか?タレント校長?の一種の話題作りにしか思えてならない。それを杉並区の教育委員会、都の教育委員会文科省へのアッピールとして利用しているのかもしれない。

      こんな制度が世間一般にまかり通るなら、公的日本の教育はもうだめだろう・・・いよいよ私の出番だ!



(追伸)今日、大手学習教材出版社の方から聞いた話では、やはり文科省は難色を示し、協力塾のSAPIXも撤退する方針であるとの情報を得ました。当たり前です、バカタレガ!