退職後の人生と塾経営

   昨年四国遍路の途中だと言いながら、教室に見学に来た方の事を思い出しました。去年ですが3年後に定年になるので早期退職をしようかとか、その後どうしようかと前からずっと考えているとかで、まずは自分は何なのかを知るために数年前から休みを利用して、四国の歩き遍路をしているそうです。四国一周約1200kmですから延べ40日くらい掛かりますし、歩き続けるだけの体力、気力、財力、時間がないと出来ない事で私は歩き遍路が出来る人は、それらがすべて備わった恵まれている人のように思います。
      その人が教室に来られ話を聞いておりました。言われる事は「退職した後の人生を人のために何かしたいし、それに関わる事で自分の存在を確認したい。塾などはその点いい仕事だと思います。」と言うようなお話でした。私が一番心配する経営面の事など、二の次だったのです。子供さんも独立し家のローンも無くまた、職場の先輩の退職後の人生を見ていて「何もしない生活など自分は出来ない、嫌だ!儲けなんか要らないから、人にために何かをしたい!」と思ったそうです。
       私より5つほど年上の方でしたから、考え方などもすごくわかりました。羨ましくも感じ、私は「そんな気持ちで塾が出来るならすばらしいですね、こちらはそんな気持ちがあっても生活が掛かっているので、どうしてもお金が絡みギスギスしたものになりがちです。塾なんて安くやろうと思えば、元手などほとんどなしで出来る商売ですから私も最初は始めたのですが、それなりの生活費を捻出するためにはそう簡単ではなかったです、また今の総合塾にしてからはかなり元手は要りましたし、借金もしました・・・」などと話した事を記憶しています。
       その方はまだ塾をやろうと決めたわけではなく、選択肢の一つとして考えておられるようでした。退職後は大学院に入ろうかとか、好きなそば打ちをやってみようかとも話されていました。今後の自分を探されていました。

         果たしてこのような考えの方の塾に、大切な我が子を預けて勉強を見てもらおう、などと言う保護者がいるかどうかは私は分かりませんが、今後塾の世界も大風が吹くと思われます。しかし、大手全国チェーンのファミレスがいくら進出しても独特の味を守り、地元に根強いファンがいる小さなラーメン屋が潰れなくて繁盛している、小さいながらも地元に密着し、生徒一人ひとりにきめ細かな対応をしていける塾は、生き残れるものと私は確信しております。数年後、その方がどのような退職人生を歩まれているのか、興味はありますが・・・

          このような退職者の夢に乗じて「あなたでも出来る塾を始めませんか?素人先生でもOKです!」などと銘打って、塾開業を勧める業者も多くあります。老後の資金を丸ごと吸い上げられて、貧しい老後生活をしないためにも十分リサーチされることをお勧めします。営業サイドの話ばかりでなく、実際に始められている教室を見学し、直接お話を聞かれることでしょう。私の意見は先週のこのブログに書いていますので、参考にされてください。

          先の退職後に塾を考えている人に比べれば、私はその方の年齢の時は塾に関しては「超ベテラン」になっています。塾の信用も磐石なものになっているでしょうが、仲間と共に日夜切磋琢磨して、預かった生徒一人ひとりを責任を持って直接指導する、学生アルバイトなどはおかない教室運営を貫く所存です。



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