これからの塾 悩める親のためにも

 塾でも見られるケーブルTVで、放送大学が放送されている。別に申し込んで見ているわけではないが、たまに英語など見ると面白い。放送大学は門戸が広く人間としての教養を身につけるために、興味のある科目だけ履修する事ができるようで、語学や心理学講座など人気があるように聞いたことがある。よく考えれば塾でも使っている動画授業の草分け的な存在であり、塾での動画授業をよく言わない人は、この放送大学までも否定している事にならないだろうか。でもこの放送大学はテレビでは学びっぱなしだが、塾での動画授業は私に質問ができる内容もあるから、より丁寧な授業と言えだろう。
 私一人が講師の小さな教室だが、動画授業を利用することにより、塾業界では有名な、カリスマ塾講師たちのそれは分かりやすい授業がオンデマンド(いつでも)で受けられるのは、やはりすごい事だ。県内の進学高校でも小論文の補習をこれらの動画授業でやっていたようで、プロの国語の先生がたくさんいる高校で使われているのだから、やはりそのプロが見ても一目置く授業内容でその効用は、十分立証されていからだろう。
 東京でしかもとても高い授業料を払わないと受けられない授業が、この高知で安価でそれもいつでも、受けられるのである。すごいサービスだと我ながら思う。世の中が機械で出来ることを機械に任せてきて、文明が発達してきたように、塾もそうした傾向はつよくなり、人間でしかできない事が私の務めになってきている。だから各生徒の目標に向かってしっかり学習内容を管理したり、まめに生徒たちの様子を保護者に報告できたり、はたまた年下の保護者の相談に乗れる「コーチ」に徹しているのである。
 以前塾に通ってくれ目標の学校に合格した保護者から、礼状をいただいたことがある。それには「前に通っていた塾が若い先生ばかりで、子どもには友達のようでいいと思ったが、生徒以上に私たち親の悩みは深く相談しようと思っても出来なくて、結局あまり信頼が置けず辞めてしまいそことは全く逆の塾を探していました。親が言っても聞かなかった時間を守る、約束をまもる、ウソをつかない、挨拶をするを教えてもらったことが、結果的には時間通り自分で毎日勉強できる我が子に育ったように思います。そして、今思えば馬鹿みたいな相談にも、即座に乗っていただけた事がどれだけ嬉しかったか・・・」みたいな内容であった。それは私の年齢と25年の経験がベースになっているから、大学生や若い講師ではまねできない事かもしれない。

 勉強は誰にどんなふうに習おうが、自分のやる気が一番大切であるし、やる気にしてくれるのはやはり生身の先生だろうから、預ける親としては子どもの塾前後の表情がやはり一番その塾がどうなのかが分かる、バロメーターではないかと思う。