いきものがかり ありがとう

 昨年大ヒットした曲らしい、NHKの朝のドラマ「ゲゲゲの女房」の主題挿入歌だったとか・・・全く知らなかった。でも時々フレーズ、フレーズを聞き覚えていた私は、それが一曲につながった瞬間この曲が耳から離れなくなってしまったのである。聴けば聴くほどにやはり、NHKの朝ドラの主題曲に選ばれただけのすばらしい曲である。
 メロディーは曲調がメジャーなのにアレンジはマイナーで始まり、大げさに言えば「劇的なサビのメロディー」で聞き手の心をまずつかんでいる。また主題のコード進行が日本人好みなのか、なぜかこの曲を聴いていると泣きそうな気持ちになってしまう。さらに研究してみると、マイナーコードが多い自然なコード進行に特徴的なメロディーが乗せられ、ストリングスを加えたアレンジがやはりにくいし、グロッケンが効果的に使われ、曲の可愛さを増している。
 そのうえ歌詞も、深読みすればそれはすばらしい内容だった。若者同士の可愛い恋愛にも思えるし、2〜30年くらいの年月を一緒に歩んできた中年夫婦の姿にも思える、そして永遠の別れをしつつある熟年夫婦の姿にも私には写るのである。卒業式やコンサートのエンディングなどに流れたらじわっと涙を誘う曲だろう、結婚式いや告別式などでも流れているかもしれない・・・などと思ってしまったくらいで、多分名曲としてずっと残るだろうし、ベテランの歌手がまた違ったテンポアレンジで歌えば、違った味わいの楽曲に仕上がるだろう。いや少しクラッシック的な合唱法のアレンジを施して、混声二部合唱あたりで披露しても十分コンサートプログラムに加えられる、作品ではないだろうか。
 こんなメロディーや歌詞をギターひとつで作り上げ、多くの人の心を動かす若者の才能に再び驚き、一方で小さい頃から音楽教室に通い、音楽大学まで行って大金を使い親のすねをかじり海外留学までして帰国、定職に就けずにフリーの音楽家を自称している若者と見比べると、音楽ってやはり才能がないとどうしようもない・・・と思ってしまう。アマチュアでいれば上手だといわれるが、いざプロになると才能がないと使えないと言われ、すぐ使い捨てられるから小さい頃から学んでも、なかなかつぎ込んだ元は取れないとても厳しい世界なのだ。

 今回は、何かしら私が魂を揺さぶられる気になる一曲を取り上げてみました。
演奏 http://pv6pvnewspv6pv.blog102.fc2.com/blog-entry-2727.html

いきものがかり 「ありがとう」 歌詞

ありがとうって伝えたくて あなたを見つめるけど
繋がれた右手は誰よりもやさしく
ほら、この声を受け止めてる

まぶしい朝に苦笑いしてさ あなたが窓を開ける
舞い込んだ未来が 始まりを教えて
またいつもの街へ出かけるよ

でこぼこのまま 積み上げてきた
二人の淡い日々は
こぼれた光を 大事に集めて
いま 輝いているんだ

あなたの夢がいつからか
二人の夢に変わっていた
今日だっていつか大切な思い出
青空も泣き空も晴れわたるように

ありがとうって伝えたくて あなたを見つめるけど
繋がれた右手がまっすぐな思いを
不器用に伝えてる

いつまでもただいつまでも
あなたと笑ってたいから
信じたこの道を確かめていくより
今 ゆっくりと歩いて行こう

喧嘩した日も 抱き合った日も
それぞれ色咲かせて
真っ白な心に 描かれた未来を
まだ書き足していくんだ

誰かのために 生きること
誰かの愛を 受けれること
そうやって 今を
ちょっとずつ 重ねて
喜びも悲しみも分かち合えるように

想い合うことに幸せを
あなたと見つけて行けたら
ありふれたことさえ
輝きをいだくよ
ほら、その声に寄り添ってく

愛してるって伝えたくて
あなたに伝えたくて
かけがいのない手を
あなたとのこれからを
私は信じてるから

ありがとうって言葉を今
あなたに伝えるから
繋がれた右手は 誰よりもやさしく
ほら、この声を受け止めてる