号外 題名のない音楽会 校歌特集

 3/16、題名のない音楽会を見ていまして、いろいろな学校の校歌を取り上げていました。校歌と言えば私も思い出があります。母校の高校の100周年の時に吹奏楽部の外部コーチとして100周年記念の校歌の編曲をしたのでした。3部形式になっており序奏のあと讃美歌風そして行進曲風でエンディングはかなり凝った編曲に仕上げ100周年記念コンサートで初演し、当時の校長先生から絶賛されました。それ以来入学式や卒業式でしばらく流れていたのを記憶しています。
 私が弟子など取られていない音楽の専門家にこの編曲楽譜を見せ、後で演奏テープを聞いてもらって弟子入りできたのです。先生方には才能以上に母校愛をまず評価していただきました。そんな楽譜も今は学校にないかもしれません。寂しいといえば寂しいですが歴史とはそんなものでしょう。将来私の足跡を研究する人が現れば世に出るかもしれませんね。でも私は素人です、自分の作品など後世に残らない宿命なのでしょう。コンサートをレコード化してその校歌の演奏は残りましたから、満足です。
 師匠の大村雅朗先生が無名時代に師事しました。しばらくして「大村先生はこんなすぐ消えるはやり曲にどうして心血注いで編曲なさるのですか、こんな曲は私が仕上げますから・・・」と話したことがあります。すると大村先生は「みんなが楽しく演奏してくれればそれで良いのです。」と笑って言われました。私自身の一番抜けているところを指摘されたようで、心にとても響いたことを覚えています。大村先生はその後人気アレンジャーとして、また松田聖子の名曲「スイートメモリー」の作編曲者として注目されます。
 それ以来校歌の編曲をあちこち頼まれてしていました。過疎化でなくなった学校もあるようですが校歌の保存こそ、その学校が存在したという確たる証になるような気がします。大村雅明先生、上岡洋一先生、松尾善雄先生、そして瀬戸口重利先生、素人の私が今音楽を偉そうに語れるのは各先生のおかげです。