売れているという英会話教材

 最近テレビCMで人気プロゴルファーを起用しての、下記の英会話教材のCMをよく見かける。超有名人を使いこれだけTVCMするのだから、かなり売れているのだろうと思っていたら、やはりインターネットニュースで下記のように伝えていた。
 この教材の良し悪しなど論ずるつもりもないが、まずは聞く(そして聴く)事は私が実践している英会話教育の一番の基本で、一番最初は聞き流す程度で全くいい。でも内容が分かっていなかったら、初めて耳にする英語ならそれこそ「お経」を聴いている如く、分からなくて眠くなるだけだろうだから、まずはどんな内容の会話をしているのだろうと日本語で知ることは、大切なことである。それらもこの教材には入っているらしいので、ひょっとして私がこのブログでいろいろ書いてきた効果的な英会話学習法を、制作者が読んでいたのかもしれない。実際に使ったわけではないが、学習理論にはかなっている教材であると思う。
 ただ良く私が指摘することは、「なぜ英会話を学ぶのか」または「何のために学ぶのか」言うことを学習者自身が明確に分かっておくことである。半年後にアメリカに行くのでとか、英語検定を受検するとかの具体的な目的の事だ。一番続かない動機は「外人さんに道を聞かれて、さらっと英語で道案内などをできるようになりたい・・・」とかいう、一生に一度あるかないかの目的で勉強しようとする女性たちである。私にしてみれば「図書館で見知らぬ学生にこの数学の問題がわからないので・・・と聞かれたときに、さらっとその問題を解けるようになるために数学を学びたい・・」と言っているようにさえ感じられるのである。図書館にも行かないだろうその人にはそんな事は一生無いに違いない。英会話と数学とではまた話が違うかもしれないが、それだったらなぜ自分の子供に教えられるようになりたいから・・・とか思わないのだろう。自分が勉強するのは嫌なのに、子供ばかりに勉強させる勝手な親の姿が見える気がする。
 私が英会話をメインで教えていた時に「英会話は知的なオシャレ」と提唱していた。「どんなに美しい洋服や化粧よりも、あなたを英会話は知的に飾ります。」という言葉は、かなり向上心のある女性たちを語学学習に啓蒙したようだが、実際やってみると英会話を身につけるのはそんなに甘くはなく、またその力を保つ事も簡単ではない。ましてやとっさの時に英語が口から出るなど、おしゃれ感覚で学んで、とうていできることではないし、さらに海外へ行って英会話を身につけても、日本で使わなければすぐに忘れてしまうのだ。だから日本人が身に付けた英語力を保つには、英語をいつも使う仕事に就くか、旦那をアメリカ人にするか、しっかり自分で繰り返し勉強するしかない。だからこそ英会話を身につけることが、ある種のステイタスになるのだろう。でもそんなことはさておき先に述べた一生に一度あるかないかの機会のために、衝動的にこのような教材を買う人がいるから、この企業はこの教材で存続しているのかも知れない。そんな風にかんがえると、この教材の売り方も細くてきれいな体を見せてさも簡単にその体が得られるような気にさせる売り方の、痩せる機械の通販と同じように思えてきた。
 でも深みにはまれば勉強などは切りがないものである。アメリカで勉強している時に知り合った現在、大学で英語の教鞭を取っている人が当時少し弱気になって話していたが、「英語なんて底なしで単語は無限にあり、やってもやっても切りがない。何でこんな事を勉強し始めたのだろう・・・」と話していた。私よりは若かったが、英語力は私などより格段に高かった。「ここに来て勉強している目標は、アメリカ人のように英語が分り使えるようになることだが、どんなに英語が話せて分かっても、当たり前のことだが白い肌にも青い目にも金髪にも絶対にならないから、我々が日本人であることは忘れるべきではない。」と話していた。まったく同感で同じ結論になってしまったが、そんなことはさておきこの教材を上手く使って初心を忘れず、一人でも多くの方に英語の達人になって欲しいものである。
 でも私はこの英語教材を使わなくても、あなたが具体的な英語を学ぶ目標をお持ちでやる気があり時間さえいただければ、中学生の使っている教科書3年分であなたを私はプロとして、日常英会話くらいは話せられるようにする自信はある。それくらいで十分で丁度いいのである。


英会話教材、売り上げ急拡大、エスプリライン、コールセンター4割増員、フォロー体制充実 11月9日発表 
英会話教材「スピードラーニング」を販売するエスプリライン(埼玉県川越市、大谷登社長)は自社のコールセンター機能を増強する。埼玉と沖縄にある自社のセンターの人員を1年後までに4割増の200人にする。売り上げの急拡大に対応すると同時に、外部委託ではなく自社要員を増やすことでサービス水準を高め、継続的に購買してもらえる体制を目指す。同社は現在、顧客からの問い合わせや申し込みなどを埼玉県川越市那覇市の自社コールセンターと、外部の委託業者で受け付けている。自社センターでは単純な受付業務だけでなく、顧客への電話による英会話レッスンの担当者なども増やす。
 
 スピードラーニングは英語を聞き流すことで習得するのが特徴。初回申し込み後は学校生活や結婚生活など、様々な場面の会話が収録されたCD教材が毎月、送られてくる。利用者は自分に合わないと思えば、電話などで定期購買を取りやめることができる。外部の委託業者の場合、「正しい使用方法や商品説明が必ずしも十分伝わらないこともあった」(大谷社長)。実際に自社センターで対応した顧客が購買した期間が外部委託に比べて約4倍になるケースもあったという。
 
 現在の教材の購買者は約13万人。2012年4月期の売上高は112億円と3年前の5倍を見込む。ただ、今後も成長力を維持向上するには新規顧客を増やすだけでなく、「学習方法のアドバイスなどフォロー体制の充実が必要」(大谷社長)としている。