社会人の学びについて

 わが塾に土曜日には月に1〜2回、社会人の方が英語を学びに来る。金融機関の支店長の方だが、何か仕事以外の事を学びたいと常々思っていたようで、ひょんなことからその方と知り合いそんな話を聞いたので、教室に過去に来ていた社会人の話をしたら、やってみたいと昨年から来られている。
 社会人の英語と言えば英会話が定番だろうが、私が勧めたのは英会話を学ぶ前の英語である。誰しも英会話ができれば良いとは思っているが、なかなか身に付くものではないし、いざ少し話せるようになっても使わなければ忘れてしまうから、いわゆるスキルキープが大変なのである。その点英語は、ほとんどの方が学校で学んでいるレベルから始めるので理解できるし、私はその英語単元の重要文は暗記させているので、ある程度勉強もしてもらえている。そうすれば英会話は、中学レベルの英語が聴けて話せて読めて書ければ、意思疎通は簡単にできるから、その人が英会話をやろうと思ったときには、文法的にしっかりとした英語総合力の上で勉強できるので、簡単に始められるのである。
 特にその方が言ってくれたのは、この教室独特のチケット制の便利さであった。以前ある教室に通っていたが、なかなか決まった時間に行けずに結局半年分前払いしたのに、ほとんどその教室に行けなかったらしい。だからそれ以来このような教室には、二の足を踏んでいたようであるが、私の教室のシステムを知って、事前予約でもキャンセル変更はできるから、続いて来てくれている。彼は今まで一度も休んだことはない。
 書くこと読むことは確かにできるが、発音や暗唱は少してこずっている。しかしそれがまた勉強を続ける刺激になっている様であるのだ。さらにカリキュラムを早く終わらせることが目的ではなくて、彼の身に着けた英語力を、自分のお子さんの英語学習の手伝いができるようになろう!との言葉に、痛く共感してくれた。また年度末は忙しいからと2月には数回来たいとの事だが、無理してもいけないからと次回にそれは決める事になった。学生ばかり対応している教室とは違うところだろう。
 社会人の学びは無理しない事、そして何とか自分でもできる事をやる事、そしてやりすぎずそれを細長く続ける事である。それらを寛容な心で受け止めて続けさせてくれる教室を選べば、必ずその目的は叶う事でしょう。あなたの夢の努力が今まで続かなかったのは、その教室や主宰者の寛容さが足らなかったのかもしれません・・・。