新聞投稿 First Penguin

 今のNHK朝の連続ドラマで五代友厚が「ファーストペンギン」の話をしていた。実際に彼が広岡浅子に話したかどうかは分からないが、私もアメリカで学んでいた時に教授からその話を聞いたことがある。
 ペンギンは常に数十羽〜数百羽以上の群れでいるが、飛べない彼らは餌を求めて海に飛び込まなくてはならない。しかし海にはシャチ、アザラシ、サメなどの天敵が多い。しかしその恐怖を断ち切って群れの中で最初に海に飛び込むのをファーストペンギンと呼び、そんな意味からアメリカでは一番最初に人のために勇気ある行動を取った者には、大変な敬意が注がれるのだ。
 「人と同じことをするな、自分の考えや意見を持ち責任を持って行動せよ!」と米国人は小さい頃から強く教育されるから、我が国の教育とはかなりちがう。
 高知で先日、国際バカロレア教育についてのシンポジウムが開催された。素晴らしい理念の教育で、今までの我が国の教育とはかなり違った一面を持つ公立高が我が県にも設立されるようであるが、ただ大学や企業が求める人間を育てるだけの学校にはなって欲しくないと強く願うものであり、そこで学ぶ彼らの中からファーストペンギンになりうる人材が、多数輩出されることを期待する県民の一人である。
このブログは12/10 高知新聞朝刊 読者欄に掲載されました。
http://www.kochinews.co.jp/voice/1512/151210vhiroba05.htm