新聞 熟読のすすめ

 たまにゆっくり新聞を読む時間が取れなくて、読まないままの新聞が数日溜まることがある。休日にできるだけ目を通そうとするが、起こった事件事故はテレビなどで顛末を知っているから、どうしても大きな文字中心の斜め読みになってしまうのだ。あまり読まないまま古新聞になってしまいがちなのである。
 以前も同じような事があり勿体ないと思い、一度新聞を隅から隅まで読んでやろうと、休日それを実行した。30面を超える紙面の読破は正直大変だったが、普段はあまり読まない経済面や政治面もじっくり読み込むと、新しい発見がある。そしてその中で使用されている言葉は今の生きた日本語であり、その記事一つ一つにも記者や編集者の熱い思いが託され「さすが文章のプロ!」と思えるような文面にも出会えるのだ。
 新聞をゆっくり熟読すると、すごい知識と情報の媒体であることが改めて分かったのであった。しかし、読破する私の挑戦は、あまりにも時間が掛かりすぎてそれで終わってしまったが、いつか私もじっくり毎日新聞を熟読できる心の豊かな人になりたいと思う。

このブログは11月2日付 高知新聞朝刊 読書欄「声・ひろば」に掲載されました。
http://www.kochinews.co.jp/article/59570/