大丈夫か、脆弱な我が国のインフラ

 昨日関東地方に上陸した台風15号は、やはり首都圏に甚大な影響や被害をもたらした。昨年は関西国際空港でその連絡橋に船がぶつかり使えなくなったが、今回は成田空港からの連絡網が私鉄もJRも高速道路も全部使えなくなり、あの空港に2万人近くの人が足止めを喰らったそうである。最新設備を誇る我が国の国際空港が一つの台風で使えなくなり、我が国の国際収支にまで影響を及ぼしている現状に、私はある種の危機感を感じるのである。

 昨年の北海道での地震の際に起こったブラックアウトも、その危機感を強く感じた出来事であった。もし我が国をあまりよく思わない敵対する国が、意識的にブラックアウトを我が国引き起こしたとしたらどうだろうか、非常用電源はあるとしても場所は限られており、せいぜい使えても2~3日である。電気のない生活など考えられない現代社会において、もしこういうテロが起こったとしたら、我々としては防ぎようがないのではないだろうか。さらに空港もそれにアクセスする鉄道網が破壊されれば、すぐに使えなくなってしまう。

 近所の国から飛んでくる「飛翔体」も物騒だが、あまりに一般生活を支えているインフラに関する関心が、我々は低すぎるようにも思う。電力の自由化は結構であるが、いざという時守れなければどうしようもないから、私の教室は既存の大手電力会社の契約を続けているのである。どっかの国は我が国のインフラ設備に「飛翔体」の照準を合わしているかもしれないのだ。もし満水のダムでも攻撃されたら・・・そして発電所が破壊されて電気が供給できなくなったら・・・あまり考えたくないシュミレーションであり、もう少しインフラに関心を持つべく、国民への啓蒙活動が必要と感じるのである。

 このブログは9/14 高知新聞朝刊読書欄に掲載されました。

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