どんな世界も甘くはありません・・・

 最近「働くという事」について最近よく考えます。今の私にとって「働くという事」=「仕事」は、「塾を経営し教えるという事」ですが、小さい頃に夢見た職業などを思い返すと、その気持ちは年齢や環境と共にかなり変わってきました。それは皆さんも同じだと思います。それでなぜ塾を始めたのか、という事から思い出していました。

 就職したのが流通業界で、自分としては将来ビジネスをしてみたいとの気持ちが強く商売の勉強を兼ねての就職でした。今考えると大変競争の激しい世界で、スーパーや小売店に食品を卸すわけですが、入ってくる商品の原価はほぼどこも同じですから、いかに営業マンの信用を小売店に売り込むかで、業績が決まるわけです。数年たつと会社は担当替えで新たな顧客を持たせるのですが、私は割と厳しい地区を持たされていましたので、業績はあまり芳しくなく普通だったらさっさと転勤して、新たな顧客で営業をするのですが、私はそれが業績が上がらない原因であると感じ、長く同じ地区を担当させてほしいと上司に話したのでした。その上司も数年で変わりますから、営業はやりにくいですよね。しかし時間を掛けて人間関係を築いていけば、少しずつですが道は開けていったのです。当時から英語は勉強していまして、その勉強が一種の仕事のストレス解消になっていました。お得意先のお子さんが英語が分からないというので、数回個人的に見てあげた事がありました。そんな事も顧客との人間関係を築くのに役立ったのです。

 30歳が見えてきて、このままでは自分の人生10年すればあの上司だろうか、なんて想像し始めると急に嫌になり、いろいろ考えた上で塾業を選択したのです。一番の決め手は流通業のように商品を仕入れて、それを販売するものではないという事です。商品は塾長の「知識」ですから、利益率はかなり高くなり必ず儲かる!と信じて疑わなかったのでした。しかし今思えば塾業界もそんなに甘くはなかったのでした。

 より自信をつけるためにアメリカにも勉強しに行きました。授業や宿題が大変でしたが何とか終了して、英語塾を始めたのがこの世界に入ったきっかけです。