「ブギウギ」が始まったが「らんまん」は永遠なり!

 のっけからの華麗なステージシーンにあっけに取られてしまった。先週までがしっとりとしたフォーク調のアコースティックなオープニングに慣れていたせいか、その感慨も一瞬で飛んでしまう、新しい朝ドラのにぎやかなオープニングだったのである。きっと制作者は今までの静かな習慣を吹き飛ばすつもりだったに違いない。関西の乗りが前面に出てきてさらに音楽ファンの私には「これも悪くはないなぁ~」と思わせたのである。

 しかし、高知のイメージと言えばふた昔は東映映画の女性版やくざ映画のイメージが強くあったのだが、今回の「らんまん」ではあくまでも大人しく女性も男性もきれいな土佐弁を使っていたので、高知のイメージがまたアップしたに違いない。やはり牧野富太郎氏は頭の良い「ぼんぼん」のイメージは私からはぬぐえなかったが、今まであまり知らなかった夫人の才女ぶりにこの人がいたからこそ、富太郎は大成したのだと思うのである。今でいう「あげまん」の女性であろう。そして彼の運の強さにも驚くのであった。大地震にせよ大借金にせよ大学でのいざこざにせよ彼はなんとなくそれを乗り越えて、新しい世界を切り開いてゆくのである。

 このような番組内容がまだ思い出される10月初旬の朝ドラであるが、数か月もしたらきっと新しく始まった関西の乗りの朝ドラに、私の心は占領されているかもしれないのだ。しかし高知県民である以上やはり「らんまん」はいつまでも忘れないだろう。