谷村さんさようなら


 2023年10月16日、この知らせは飛び込んできて、私は声が出ませんでした。確か私と、わずか5歳くらいしか変わらなかったはずなのに・・・。

 私が大学生時代、谷村新司さんのグループは売り出し中で、地方の小さなライブハウスや市民会館などで演奏活動をしていました。私は知人の紹介で、たまたまそのコンサートに行ったのですが、「アリス」というグループは知らなかったのです。しかし、コンサートは満員でした。ですから彼らを知っているファンには、もう絶大な人気が当時あったのです。今思うと、彼らのヒット曲は当時のコンサートで演奏していた曲の中に、その匂いがあったように思います。

 私はそれから、彼らの音楽を聴くようになりました。有名な曲しか知りませんが、シャンソン風でドラマチックなストーリーの「帰らざる日々」は今でもよく歌います。

「昴」を聴いた時に、わずか31歳でこんな人生を達観したような曲を書ける人は、漢詩の勉強でもしているのかと思ったほど。人並外れた作詞能力と、完成された音楽性を感じたのです。

 古希近くなった今でも彼の歌に私は、心を動かされ勇気づけられられます。彼の歌を私は歌い続けるでしょう。そしてかれの歌う姿は、私の中に永遠に生き続ける事でしょう。心よりご冥福をお祈りいたします。

 

このブログは高知新聞10月30日読者欄 声ひろばに掲載されました。