吹奏楽部はまさに体育部と一緒です。

 新聞にも出ていたが、吹奏楽部が長時間の練習を中高生部員やその顧問教員に、させているという記事が載っていた。長く深く吹奏楽に親しんできた私には、何を今更・・・という感じである。吹奏楽部は楽器を吹いたり、たたいたりして演奏するクラブで、特にトランペットやトロンボーン、ホルンなどの金管楽器は最初はほとんど音が出ない。それに比べて木管楽器、フルート、クラリネット、サキソフォーン、オーボエ、私のやっているファゴットなどは金管楽器よりは音は出しやすいが、指使いがなかなか多様でむつかしい。でも出る音で練習していると少しずつ楽器らしい音になってきて、1年もたてばみんなかなり吹けるようになってくる。そして学生には吹奏楽コンクールというのが夏休みにあり、課題曲、自由曲の合計わずか12分の演奏曲を土日返上で数か月朝から晩まで練習するのが吹奏楽部である。少しでも外れた音などあると減点されて入賞できないから、そのミスをなくそうと担当教諭や生徒たちは、ついつい長時間の練習になってしまいがちで、そこは体が資本の体育系クラブそのものである。
 さらに吹奏楽は大変時間が必要なクラブであると同時に、やはり良い楽器を吹くと音が合いやすかったり音色が良かったりするし、特に打楽器はたいへん高価な楽器が必要とされがちで、お金がある団体が入賞するような気もしないでもない。しかし生徒たちにはその練習やコンクールでの経験は苦ともせず、ひたすら指導者の指揮棒に従うのである。そこには昨今の教師不信など全く見当たらないし、彼らの人生において素晴らしいものではある。私も昔の自分を思い出して、あまりに練習漬けの日々を反省はしている。しかし私は幸いにして良い指導者に巡り合い、吹奏楽での演奏だけでなく編曲や作曲そして指揮なども学べ、さらにその知識を指導者として、少しでも後進の人たちに還元できたから幸運だったと思う。
 でも今の世の中の時短やクラブの練習時間カットの流れでは、吹奏楽も昔のような練習漬けは合わないのかもしれないし、いくらコンクールで勝ちたいととは言え、多感な思春期に練習のし過ぎは確かに良くないと思う。もっといろいろな事を若者には経験してもらいたいとも思うし私自身も、もっと他の事をいっぱい勉強しておけばよかったとこの歳になって思わないでもない・・・かな・・・。

メールマガジンより 

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吹奏楽、土曜練習5時間も 中高の文化部のはずが・・・

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 文化部活動が盛んな中学校・高校を対象とした文化庁の抽出調査で、吹奏楽部の約5割が土曜日に5時間以上活動するなど、一部で練習が長時間に及んでいることが分かった。コンクール出場に向けた準備などが理由とみられる。

 文化庁は、生徒や教員の負担軽減のため策定中の文化部活動に関する指針に、休養日や活動時間に関する目安を盛り込む方針だ。

 目立った活動実績がある国公私立の中学・高校を抽出し8〜9月にアンケートを実施。68校の359部から回答を得た。

 学校が休みの土曜日に活動している部は、全体の約半数。吹奏楽部は27部のうち48.1%が、土曜の平均活動時間が5時間以上だった。演劇部(26部)は15.3%、美術・工芸部(31部)は9.7%、合唱部(17部)は5.9%で、吹奏楽部の割合の高さが目立った。

 平日の活動状況を全体に尋ねたところ、毎日活動している部が28.1%と最も多く、1日だけが19.8%、2日間が18.4%と続いた。1日当たりの活動時間は1〜2時間未満が52.6%と過半数を占め、2〜3時間未満が30.9%、1時間未満は11.1%だった。

 部活動を巡ってはスポーツ庁が今年3月に「週2日以上の休養」などを盛り込んだ運動部活動の指針を策定した。文化庁は、これを参考に「文化部版」の年内策定を目指している。