人の気持

         世界が注目した、アメリカの次の第44代大統領が決まって約10日が過ぎた。ふたを開けると予想通りバラク・オバマ氏の圧勝であった。私は彼が勝ったというより今の大統領にアメリカ国民はうんざりしていて、変えたら今よりは良くなるのではないか、という心理が働いて彼が勝てたのではないかとおもう。だから現政権の共和党が負けたのではないか。彼が黒人であろうがなかろうが今の状況では、民主党は勝てたと思う。ただ歴史はこんな時にヒーローを出現させ、アメリカ史上初の黒人大統領を誕生させた。
         カーター大統領でがたがたになったアメリカを蘇らせるために、元俳優でカリフォルニア州知事だったロナルドレーガンが新大統領として、1981年の1月20日だったと思うが私はその時首都ワシントンにいて、大統領就任式を目の当たりにした。真冬の寒いワシントンの議事堂前に数十万人の観衆が、新大統領の演説に聞き入るのである。過去にはケネディーが「国家が君たちに何をしてくれるかではなく、君たちが国家に何が出来るかを考えてほしい。」と演説した就任式だ。自分たちが支持した大統領を応援していこう!という強い気持が感じられたのだった。

         今の我が国に置き換えて見る。確かに今が良くないから政権交代させよう!という機運はまだあまり感じられない。逆に変えたらもっと悪くなるかも知れない、という不安が強いのは否定できないと思う。でも今のままでも良くならないのなら、やっぱり一度変えてみようか・・と日本国民が判断したときは前よりは良い日本になってほしいと願う。
         アメリカ大統領について多くを語るつもりはない、難問山積のアメリカをどう蘇生していくかは、神のみぞ知るところだろう。彼が本当の名大統領として後年地方空港などに名前が残るようになればと思うアメリカ人の気持であろう。我が国の以前の総理のように、途中で投げ出すような事は絶対にないだろう。でもまだあの人たちは代議士をやっている・・・普通なら国民に顔向けできなくて隠居でもするだろうに・・・日本人の気持は分からない。