うるさいおやじ・・・緊急、追伸

     期末テスト(二学期制では中間テスト)が真っ盛りである。いつもながら忙しくしているが、昼と夜に生徒を振り分けると両方ともかなりゆっくり、私自身が手をかけて学習できるようになった。
校区の生徒や近所の生徒にはできるだけ試験が終わって昼間に来てもらい、校区外や私学に通う時間の都合のつかない生徒は今まで通り夜に来てもらうのである。そして便利なチケット制だから試験中時間を増やせる一方で、試験明は思いっきり休みにしてチケット代をセーブしてもらい、その間に受験の小論文指導に時間をあてている。
          上げ膳据え膳的に何でも面倒を見る塾が多い中で私の塾では、チケット制やこのようなフレックスタイム制の大変便利なシステムを導入し、生徒へのサービス強化を図っているが、反面生徒には試験日程によって時間を変更したりしての、自己管理が要求されるのである。特によその塾から口コミでこの塾に来て、まずこの事になじめない生徒がたまにいる。自分が何を塾で学びたいのか考えていなかったり、試験の日程、範囲まで把握できていないのである。一切のことを前の塾ではやってくれていたようで、決まった時間に行ってそこで出される課題を済まして終わっていたようだ。だからか好きな時間に来られ、科目も自分でやりたい科目が選べ個々の個別学習自体に、面食らうのだろう。親もあまりに自由なのでびっくりするが、慣れると多分よそでは不便すぎて通えない。
          当初私は怒るでもなく本人の希望を聞きだして学習させるが、計画など立てられるものではない。その子については毎回メールで様子を簡単に知らせ、一週間位して保護者に直接詳しく伝えるが、その事自体今までの塾と違うようで、塾の利便性も相まってまた、親は私の考えを全面的に理解してくれ預けてくれるのであろう。さらにその上に一ヶ月の終わりには、文書で本人の感想も書かれ一ヶ月のまとめの報告がされるから、直接我が子の意見を読み、万全の信用をいただけている。親心として不慣れなところに預けた当初は心配だろうし、私が親だったらそうしてもらったらうれしい。その上、信頼が持てると思うから開校以来ずっとやっている。だから信用してもらい、通ってきてもらえるのだろう。
            塾に来れば成績は上がり希望する学校に進学できる子は多いが、100%ではない。ここで勉強してもそんなに成績が上がらない子もいる。みんながうらやむような進学校に進める訳でもないが、勉強する大切さ、それ以前に時間を守ったり授業中のマナー、そして挨拶などには「うるさいおやじ」のように言っているから、ここを終了するころには精神的にもみんな成長しているのである。
            勉強は中高生の時だけするものではなくて、生きていく以上ずっとその気持ちは持ち続ける必要はある。私も子供のころ多くの人に教えられ、怒られそして導かれてきた。塾の思い出もある。今考えればすし詰めの寺子屋形式の座り学習だった。一教室に20人以上はいた。そして先生が怖かったが毎週通っていた。勉強の方法を教えてもらって成績が上がったからだった。いつしか今は自分がその立場にいる。当時とは比べ物にならない学習環境であるが、なかなか理想と現実とのギャップは埋められない。だから今日も努力をできるのだろう。
            これから歳を重ねていくと生徒の親の親の世代に近づいてくる。その時が私の集大成の塾経営ができるような気がするのである。生徒もさることながら、その親からの自分の親のような信頼ほど経営に不可欠なものはない。これが私が一人で経営する所以である。


(緊急、追伸)
留守番中に「現代画報」というところから「取材をしたい」と電話があったようです。「何でこんな小さな教室に・・・」
幸いいなかったので話をしなかったのですが、下記のような胡散臭い業者のようでした。ご同業の方々くれぐれもご注意を・・・

悠法律事務所のブログ、弁護士の雑記帳より・・・http://yuu-kamikawa.cocolog-nifty.com/law/cat5788467/index.html

水曜日の留守中に現代画報と名乗る電話。家庭画報なら季節ごとにきれいなカタログを届けてくれるので知っているけど、現代画報なんて知らない。
経済誌と自称するので、エセなんとかかと思ってしまった。
女優を連れて金曜か土曜に事務所に来てインタビューするという。そういえば民主党のニセメール事件の議員さんに関して似たような報道があったっけ。あれのプチ版かしら。
来られても困るので、とりあえずネットで検索すると、この雑誌でお困りの方が数名いらっしゃった。

火曜日に俳優を連れてその週の金曜日にインタビューに行くと電話がはいり、インタビュー終了後に突然契約書を取り出し、俳優の日当もあるのでと7万3500円を請求して契約書を作成させ、さらに7万円では記事が小さいから追加で金を払ったらどうかと言い、解約しようとすると、解約時には7万円以上支払うことになっていた、とのこと。

夕方、再度電話があり、金曜か土曜に女優を連れてインタビューに行きたいと言うが、7万円かかるなどの話はでない。他の仕事の最中だったので、からかうのも時間がもったいなく、お断りした。
無料だと思わせておいて、俳優(女優)としばらく話をさせて、写真を撮影してからおもむろにかかった費用を払ってほしいと言って契約書に署名をさせる。
契約するしないは自由だから、そんな契約はしないと言えばよいのだが、親しそうに話を聞いてくれた俳優の目の前で、金の話は聞いていない、そんなもの払わない、とトラブルを起こしたくないと考えるのは普通の人の感覚だろう。それまで気持ちよく自分の事業の自慢話をしていたわけだし、俳優がただ働きになるのは可哀想だし。さらに、契約をしないと雑誌に記事が載らないので、それまでにかけた自分の時間が無駄になるから、ここで喧嘩をするより雑誌に載せてしまった方がよいか、となるのだろう。

観光地で勝手に観光客の写真を撮って、出口で高額で売りつけるのに似ているがそれより質が悪い。

事業者に事業に関して話を持ちかけているので、消費者契約法の適用がない。
それではと特定商取引法を見ると、第3条に訪問販売をしようとするときは、その勧誘に先立って、相手方に対し、売買契約または役務提供契約の締結について勧誘する目的であることを明らかにしなければならないとなっている。
また、特定商取引法の適用のある指定役務の中には、「名簿、人名録その他の書籍(磁気ディスク(これに準ずる方法により一定の事項を確実に記録しておくことができる物を含む。)をもつて調製するものを含む。)、新聞又は雑誌への氏名、経歴その他の個人に関する情報の掲載若しくは記録又はこれらに掲載され若しくは記録された当該情報の訂正、追加、削除若しくは提供」が含まれている。
主として名簿業者を念頭に置いているのだろうが、雑誌に経営者の氏名、経歴その他の個人情報の掲載をするというのだから、これに該当する可能性がある。

該当すれば、クーリングオフが可能となる。

その雑誌が好き、その俳優が好きというのであれば別だけれど、見たことも聞いたこともない雑誌に、よく知らない俳優を連れて数日後にインタビューに行くと言われて、はい、と答えるのは危険だと思う