言語力

 11/24放送のNHKクローズアップ現代で、キャスターで流暢な英語が話せる国谷裕子氏が、我が国の英語教育の第一人者である鳥飼久美子氏を招き、「日本人にはまず日本語の高い言語力が必要だ!」と述べていました。国語学者が言うなら話は分かりますが、英語の達人の両氏がなんと「日本人は日本語を鍛えないと、諸外国との競争には勝てない!」と強調していたのです。
 我が国のサッカーチームがなぜワールドカップに勝てないかといえば、試合中に瞬時の的確な判断を仲間に説明できる言語能力がないからだそうです。その対策に次の世代のサッカーユースのメンバーは、論理的に状況を説明できる訓練を始めているのです。論法としては、始めに結論を言って、なぜならば・・・と後で理由を述べる方法でした。英語的な論法ですが、まずは日本人は日本語でその理由がはっきり説明出来ないとだめで、それが出来て初めて外国語で出来るようになる、とその達人たちも分かっているのです。番組では道案内をいかに端的にその道を教えたらいいかを、そしてなぜその道筋を教える理由などが、取り上げられていました。確かに日本語で説明できない道順を我々が、つたない英語で説明できるはずがありません。
 「日本人にはまず日本語の高い言語力が必要である!」
私にすれば、この達人たちもようやく分かったのだろうか・・・と思ってしまいそうです。中学英語の教科書に電話応対や道案内など出てきますが、まずは日本語で練習してから、英語でやったほうがいいのです。今回は二人の英語の達人の言葉として、私の日ごろの考えを後押ししてくれるものとして、大変重く拝聴いたしました。