重苦しい空気

 3月11日に発生した東北関東大震災は起こって丸二週間だが、言い知れぬ重苦しい空気をわが国に充満させている。確かに「自粛」は必要だろうが、この年に困難を乗り越えて晴れて大学に合格したお子さんをお持ちの保護者の方もいるわけで、やはりがんばった我が子にはねぎらいの会を催すのは親として当然だと思う。そしてテレビなどはこんな時だからこそ、上品な笑いの番組が必要ではないだろうか。あれだけ流れていた結婚式場のTVコマーシャルも最近は一切ないが、葬祭会館のCMは続いている現実に、何やら社会の「自粛」のものさしに頭をもたげてしまう私だが、こんにちワニ、ありがとうウサギが頭から離れない。
 確かに気持ちは重いが世界は動いている、「がんばろう!」とただ叫ぶのではなく、各自のフィールドでがんばることがまずは先決だ。被災地に救援は必要であるが、そのために我々までが弱ってしまっては共倒れになってしまう。万一もう一度明日にでも巨大地震がわが国を襲ったらどうなることだろう・・・、それが首都東京だったらと考えてしまうとわが国はなすすべは何もなくなるかも知れない。半数の自衛隊員が災害復旧に回されているが、こんなときもし有事がわが国にあったらどうなるのだろう?わが国の混乱に乗じて他国が侵略したりして・・・考えたくもないが、今までの想定をはるかに越える災害に、我々は何をしても無益ではないのかという絶望感さえ、頭をよぎってしまう。
 きっと国の関係機関のどっかではきっと同じようなことを、シュミレーションしているかも知れないが、私のような一国民がこんなことを考えてしまうくらい、今回の災害は国民一人一人の心に大きな爪あとを残してしまった。マスコミは盛んに義捐金を募っている、もう一度協力しようかと思って財布を見たが、新年度は唯でさえ物入りの時期で考えていると頭が痛くなってしまった。