日銀、円安への呪縛

 週末居酒屋で一人飲んでいたら、斜め前の席から「今の円安何とかならんろうか、ガソリンを始め輸入品がどんどん値上がりしゆう。日銀も円安にならんように金利を上げたらえいがよ・・・」という今の我が国の経済状態を肴にしながら話が盛り上がっていた。確かに車にガソリンを入れるたびに最近はため息が出るし、スーパーで買い物をしたら以前よりは支払う料金は確実に高くなった。店によっては「7月一杯までは値上げをしないで頑張ります!」と張り紙が有ったりしているが、言い換えれば8月になれば確実に高くするという予告である。

庶民生活の中で政治問題が話題になってきたら、国民の不満が溜まってきている証拠だから、政治家はその声に十分耳を傾ける施政を行う必要があると思う。そしてその席ではロシア情勢にも話題は拡がっていた。

 私もなぜ日銀は今の急激な円安を止める施策ができないのだろうと考えたが、やはり政策金利を上げられない理由がわが国にはあるのだ。輸入品の物価が高くなりインフレのようにも思うが、まだまだ景気は良くないからここで日銀が政策金利を上げてしまうと、住宅ローンや車のローンなどすべての国民の借金の金利が上がることになり、企業は借金払いに大変になり、益々我が国は不景気になってしまうかもしれないのだ。

 逆にアメリカは今すべてが異常なほど高くなるインフレになってしまい、景気の過熱を抑える上でも、とにかく金利を上昇させるしかないのである。すると市場は不安定な株を持つよりより、確かな通貨で持っていた方が確実に増えるし、金利の安い円は売られるからどうしても安くなってしまう。

 そういえば居酒屋の値段も少し高くなったし、そこに行く回数も最近はかなり減った私だ。せめて飲んでいる時くらい楽しい事を肴にしたいと思うが「自分の身は自分で守れ!」と国から言われれば、楽しみに使うお金が減るのは仕方ないと思う小市民の私である。

 

 このブログは6/29 高知新聞読者欄に「日銀 円安対策への呪縛」として掲載されました。