投稿 安全なプラント開発を

 今回の東日本大震災は未曾有の大災害をもたらした上に、放射能汚染という目に見えない二次災害をも引き起こしてしまった。近隣の漁業や農業に大きな被害を与え、近隣住民には地震被害とはまた違った災害をもたらしている。しかし、私はその原因になった原子力発電所の存在そのものが、悪いとか言うつもりは全くないが、今思えば防災対策が不十分で、いかなる非常時にも対処する責任は東京電力にはあるのはちがいない。
 ただ、実際に今までこの発電所は必要な電気をかなり供給して、我々の社会生活に大きく役立ってきたのも事実で、その便利さを享受してきたのも我々なのである。ただ想像もできないほどの天変地異に、最悪の結果を招いてしまったことが残念でならない。東電に過信やおごりがあったのだろうか、いや我々にもなかったとは言えないかもしれない。
 今後原子力行政はかなり見直され、その不足する電気を地球温暖化を気にしながら、化石燃料で補っていくのも気が重くなる選択ではあるが、今回の教訓が必ず今日現存する原子力発電所に強く生かされ、さらに原子力より安全で優れた発電プラント開発が、我々人類の手で一日も早くのできる事を願ってやまない。

このブログは平成23年4月8日 高知新聞朝刊読者ひろば欄で、掲載されました。
http://www.kochinews.co.jp/voice/1104/110408vhiroba02.htm