とうとう始まった警戒区域の立ち入り禁止

 とうとう22日午前0時から、東京電力福島第1原発から20キロ圏が警戒区域になり、立ち入りが禁止されてしまった。そして違反者には罰則があるという。目に見えない放射能の恐怖に住民が翻弄され、自由に住める生活権や生存権まで国家に奪われてしまった。仕方ないといえば仕方ないが、国家的なプロジェクトとして行政主導で進めてきた原子力発電だから、東京電力だけに責任を押し付けることは、国としてもできないのである。家族同様に家畜を育ててきた酪農、養鶏、養豚業などの事業主は、それはさぞ無念だったと思う。ふと同業者の塾経営者のことを思うと、やはりつらい。まず教室が開けないし生徒もいないのだ。その先生たちは20キロ圏外で、講師のアルバイトでもしているのだろうか・・・。
 明日にでも南海大地震が起こってもおかしくない高知県、ひとたび起これば10メートル以上の高波が、高知市を襲うだろうといわれている。港に近いこの桟橋地区は3階建てくらいの建物はひとたまりもないだろう。さてどうしたものか・・・1階のこの教室に掛けている地震保険を確認したら、微々たるものであった。年収分くらい保証されるような保険に切り替えようと思ったら掛け金は跳ね上がり、経営を圧迫しかねないこのジレンマ。この矛先は今の政治に向けられてしまう。
 民主党には念願かなった政権交代だが、今回の震災の後始末が何とか片が付くまでは、今の政権は持たないと思う。直接的には総理大臣が悪いわけではないが、自分で決めてやろうとする事の多くが裏目に出るようだから、運がやはり無くその器ではないのかも知れない。だからせめて政権が終わるまでには何かひとつ、この総理のこれは良かった!と言われる事を残してもらいたいものだ。しかし、1000円高速を廃止にするのは、一番庶民からの失望感は強いかも知れない。さらに高校無料化も終ったりしたら民主党マニフェストなど、ハッタリも同然だ。そして政治生命は終りかねない。やはり運から見放されているようにかんじるから、このままでは我が国の運まで、消えてしまいそうに思ってしまう。
 総理大臣までなって政治家としての頂点を極めたのに、その器ではないと悟れなければこの人の場合、政治家として失脚するしかないだろう。避難施設を訪れたのも彼の対応の軽さを見れば、避難民の痛みなど全く分かっていないように見える、彼自身が可愛そうになってきた。