大橋巨泉さんが亡くなられました。

 男として大好きではなかったけれど自分を貫いた、格好いい生き方をされた方だと思います。みなさんエンターテイメントTV番組の巨泉さんの話ばかりされますが、彼は旧態依然たる英語教育にいつも一石を投じていられました。彼がやっていた英語番組はずっとビデオに取って勉強していましたし、彼の英語はJazzの歌詞翻訳から始まっているのです。どうせ英語を教えるならまず使える英語を日本人に教えませんか、といつも彼の番組ではゲストに来た政治家に話していました。
 でもあまりにもいろいろなジャンルに器用すぎてすべてで名を残したけれど、影響を与えるほどの根本的な変革は彼にはできなかったようにも思います。また彼のようには56歳で人生は短いからと引退は、ほとんどの日本人はできません。今だって無理です。個人的にしたいことがあるからと自分のことだけ考えて引退した彼は、もし辞めないでじっくり政治の場にでも踏みとどまっていたら旧民主党も変わり、政権を取った時日本の政治も変わっていたかもしれないのです。でも彼は勝手に国会議員を辞めてしまいました。彼に投票した民衆を我がままのために裏切ったとも言えるでしょう。
 でも非難するつもりはありません。今年彼が経営するオーストラリア、ケアンズにある彼の店に行きましたが、大して変わり映えはしませんでしたし普通の土産物屋で、安くはなかったです。日本が寒い時オーストラリアにいて日本が暑い時カナダにいた彼、だから病気をするような体になったのではないでしょうか、そんな彼も最後は日本で亡くなっています。所詮外国に居場所を求めても、日本人は日本が一番いいのです。高知県の観光標語の「龍馬の休日」は巨泉さんが作られたものです。やっぱりあなたは文才でもかっこいいです。先日亡くなられた永六輔さんと同じように彼も一種の「天才」だったのでしょう。深くご冥福をお祈りいたします。