宣誓

 「我々選手一同は、スポーツマンシップにのっとり正々堂々とプレーすることを誓います。」と言うのが、昔の高校野球甲子園大会開会式の宣誓の定番であったが、近年はかなり自由な言葉が盛り込まれ石巻工業主将の宣誓には、少し心を動かせられた。自分も被害者できっとその悔しさや悲しさをどこにぶつけてよいのか分からず、落ち込んだ時もあったと思うが彼らには「野球」というすばらしい心の支えがあり、苦しんだ分だけ野球を普通に出来る「幸せ」を実感しているだろう。そしてその心の支えをしっかり全うし、甲子園でその努力の成果を出してくれることだろう。石巻工業の結果は残念だったが、さわやかな感動を感じさせてくれた良い試合を見せてくれた。
 高校野球はどうしても参加校や上位入賞校に目が行き立ちだが彼らの下には、数え切れないほどの野球を心の支えにしている高校生がいるのだ。そしてひたむきな高校生球児のプレーにはやはり心を熱くさせられるのは、なぜだろう。各郷土の代表と言うのもあるかも知れないが、大人がかつてすごしてきた青春時代に気持ちを重ね合わせそして、その球児たちに自分を見ているからではないだろうか。勝って泣けて負けてまた泣けてくる高校野球、選手獲得に学校の知名度を上げるために引き抜き合戦なども横行しているようだが、コツコツ地元生徒だけで頑張っている高校にも光を差し伸べて、大舞台を経験させてやりたい。でもその甲子園に出られなかった悔しさがまたひとまわり、その生徒たちを大きくしていくのも間違いない。進学高校だって限られた時間だが、甲子園を目指して練習にがんばっているのだ。
 他のスポーツでは外国からの高校生が入り好成績を挙げているが、野球もキューバ中南米あたりから生徒を集めそんな生徒を擁したチームが、甲子園で活躍する時代がやってくるのだろうか・・・。そんな甲子園だけは見たくないし、外国語の選手宣誓などは願い下げである。