疲弊する公立学校教員

 前から聞いていましたが、公立学校の先生の「うつ病などの心の病気」で休職した数が年々増加しているようです。そういえば塾生にも学校授業がほとんど進んでいない科目があり、理由を聞くとその科目の学校の先生が「病欠」しているというのです。交代の先生もしばらく来なくて授業はかなり遅れているケースがあり、生徒にも迷惑だし残った先生方もさらに忙しくなってしまい、大変だろうと思います。また学校以外での自宅残業がびっくりするほど多くて、毎日これだと体力的にも持たないとも聞いたことがあります。
本日(11月1日)付の高知新聞社会面に、高知県の教員の残業が月86時間であると載っていました。特に小学校では休み時間も子供の相手をしなければならず、成績資料は自宅にもって帰れないからそれらに関する作業は、土日に出勤してすることになるとの事でした。我が国の根幹に関わる教育に携わる教員の労働条件がこれでは、次に続く教員志望の若者が激減するかもしれません。OBなどの教員でも増やしあまっている教室を活用して、1クラス20人くらいにしたら良いのではないかと思います。
 ある意見では「嫌なら辞めればいい、なりたい人はいくらでもいるから・・・」とさも教員が消耗品のようなされ方をしているようでしたが、さすがにそこまで今は言う人はいないですが、明らかに昔と今では「学校の先生」の仕事内容や社会の先生に対する見方、対応は変わってきています。文科省はさらに補習を増やし土曜日を授業日としてまた、成績をつける教科としての英語まで小学校では教えさせようとしています。
 教員が悪いのかモンスター的な保護者や生徒が悪いのかそれは私には分かりませんが、学校があってのこの私の仕事、やはり学校には期待するものは大きいです。
ただ優秀な人が学校で消耗しきって「疲れ果てている姿」を見るのは辛いし、その家族の気持ちを考えると昔の傷痍軍人のような感覚さえ覚えてしまいます。それを覚悟でなった先生なのでしょうか・・・、1〜2年の休職が出来るのも民間からはうらやましいですが、ベテランの学校の先生は「一朝一夕」では作れませんから、やはりそのような先生を守る対策は必要だと思います。
 でも「民間と比べて待遇が良いからきついのは仕方ない。」と考える人と、「身も心もきついから民間より待遇が良いのだ。」という考え方があるのも難しい問題ですね。

10/29付けのこの記事を読んで一緒に考えていただきたいです。
http://seiji.yahoo.co.jp/close_up/1377/

先生は忙しい。その忙しさは解消されるどころか、うつ病など心の病で休職した公立学校の教員が2008年度から4年連続で5000人を超えるなど現場の疲弊は深刻さを増すばかりだ。昨年から今年にかけて東京都のNPOが全国の小学校教員を対象に実施したアンケートからは、先生の焦燥感や不安が色濃く浮かび、手厚い支援を望む声が聞かれた。休職中の教員の61%が「心の病」。学校の先生たちのメンタルヘルスを考える。 - 小学館ファミリーネット(1月21日)
メンタルヘルス不調を訴えて受診をする教員の多くが「生徒指導」に関してストレスを感じ、続いて「同僚・管理職との人間関係」をストレス要因に感じている。さらに分析すると、保護者対応は、20歳代、30歳代の教員がストレス要因として挙げる割合が多く、40歳代は少ないのが特徴のよう。逆に40歳代の教員は、校内の仕事が集まりやすいことに対してストレスを感じる割合が増加。それが一因となり、若手の教職員の人材育成に関わる余裕がなくなっているという状況も指摘されています。(続く・・・)