どうなる、我が国の教育制度

 ある程度決まっていた2020年度における大学入試改革が少し揺れ始めている。内閣改造が行われ教員経験のある方が文部科学大臣になられて「こんな大変な事をオリンピックがあるにせよスケジュールありきで決めてよいのか・・」と述べたのが発端だそうだ。一発勝負で決まる今の入試改革を諸外国のように何度かの試験を実施することにより広く入学を決める方法は良いとは思うが、その実施内容だけでなくて試験内容まで変えてゆこうというのには、少し時間が足らないのではと私も思っていたのだ。
 特に英語の違いは顕著で英語の4技能全部が判断されるとか、外部に委託して試験を行いその点数を流用するというものであるが、外部で試験を受けられるまでになる実力養成も外部に委託するのだろうか、なぜなら多分ほとんどの現在存在する高校ではその指導は今の英語教育では無理だからである。だから少しでも始めてゆこうという考えであることは認めるが、それなら教員の負担も考えて少しずつ始める必要があるのではないだろうか。
 私の教室はこのような動きを見越して高知県下では初の英語4技能(聞く(聴く)、話す、読む、書く)のCBT英語検定ができる教室として、認定を受けた。私もその認定会場に選ばれるための研修を受けたが、ペーパー試験などまったくなくて書くことはキーボード入力なのであるし、リスニングはセンター試験のようにはむつかしくなかった。注目されているスピーキングであるが外国人のような流暢な英語は必要ないようで、聞かれた質問に瞬時に的確に答える事が求められるのである。そして採点はパソコンにそのデータとして取り込まれて、アメリカにある採点センターで採点されるのである。今まで高校生が一人受験し立ち会ったがキーボード入力はデジタル世代でまったく心配はなかったし、リスニングもリーディングも良くできた。そしてスピーキングは決して上手な英語ではなかったが、考えながらも自分の考えをはっきり述べていたのが評価されたようで、かなりの高得点を取っていたのである。実にアメリカらしい採点方法で人を振るい落とす試験ではなく合否などない。あくまで4能力の何が優れていて何が不足しているのか端的に評価されているのである。パソコンが絶対必要なこの種類の試験である、先人たちの苦労を受けつぎパソコン学習なんて・・・と後ろ指を指されてきたパソコン学習塾が、やっと国家的に認められたという事だろう。

30年前に始めた小学生英語、いまだに学校では必須になっていない。あまりにも私は早すぎた感はあるが、各自にパソコンを用意して教室を始めて13年経ち数年前から高校生の希望者にはリスニングよる英文ディクテーションタイピングをどんどんやらせている。そして先ほど述べた英語CBT試験では私の生徒が確実に頑張れることだろう。将来は個人学習ブースを作って英語の発音指導もしなければならなくなるだろうし、そうなるように近い将来是非とも日の目を見れるようになってもらいたい英語教育である。



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文科相、20年度導入予定の新共通テスト、
先送りも示唆、「現場の意見聞く」
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                          塾ニュースより

 大学入試センター試験に代わり、2020年度に導入予定の「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」など2つの新テストについて、馳浩文部科学相は3日までに、場合によっては導入時期を先送りする可能性を示唆した。日本経済新聞社の単独インタビューに「大学や高校、保護者らの意見を踏まえ、できる限りの合意を得て進める。スケジュールありきでよいのか」などと述べた。

 大学入試改革などを議論する文科省の高大接続システム改革会議は9月に「中間まとめ」を発表。高校生の学習成果を測る目的の「高校基礎学力テスト(仮称)」を19年度に始め、学力評価テストは20年度に導入するとした。

 しかし、これまでに学力評価テストの問題イメージが示されていないことなどに対し、大学や高校関係者から不安や批判が出ている。

 馳文科相はこうした状況について、「会議の進め方に問題は無いと思っているが、現場の理解を得ないと進めることはできない。現場に浸透するようなやり方を模索していく」と述べた。

 文科省は今年度中に学力評価テストの問題イメージを発表するとしている。馳文科相は「具体案が出れば、現場から様々な異論が出る可能性がある。いろいろな意見があった場合、必ず耳を傾ける」とした。

 その上で、自身がかつて高校教員をしていた経験なども踏まえ、「高校や大学などに十分意見を聞きながら今後のスケジュールを最終的に決める。現場を無視したごり押しはしない。教育現場の制度設計は足場を固めて進める必要がある」とし、大学や高校などの理解が得られなければ20年度導入という現行スケジュールに必ずしもこだわらないことを強調した。

 高大接続システム改革会議の「中間まとめ」では、学力評価テストの導入後、現在の2次試験にあたる個別試験は学力を問わず、エッセーや面接など多様な観点で受験生を評価するとしている。

 だが、10月末にあった同会議では、国立大学協会の担当者などから「学力評価テストのイメージがつかめないままでは、個別試験でも学力を問う試験を実施せざるを得ない」といった意見が出ていた。

 ▼大学入学希望者学力評価テスト 大学入試センター試験に代わり、2020年度に導入予定の新共通テスト。文部科学省の高大接続システム改革会議が制度設計を議論している。9月に公表された「中間まとめ」によると、「思考力・判断力・表現力」を中心に評価し、単なる暗記ではなく、能動的な学びの促進を目的としている。

 高校3年生が対象で、年複数回受験を検討。選択式だけでなく、短文記述式も出題する。22年度導入の高校の次期学習指導要領で学習内容が変わることに合わせ、24年度以降のテストでは、新科目の追加や、コンピューターを使って答えるCBT方式も取り入れる。

 19年度には高校での学習成果を測る「高校基礎学力テスト(仮称)」も開始予定。同テストの結果は、次期指導要領導入後の23年度以降、大学の推薦・AO入試などへの活用も検討されている。