オリンピック雑感

 開催前は「本当にリオでオリンピックが開けるのだろうか?」と心配する声も多く聞かれた今回のオリンピックでしたが、終わってみればそれなりの興奮と感動を残してくれた大会となりました。とくに日本代表の活躍は目覚ましく、過去最高のメダルを獲得しました。ふと気になったのがそのメダルの成分ですが、私は金メダルというのは純金製、銀メダルは純銀製と思っていましたら、全く違うものだとしり少しがっかりしたのです。耐久性とかその他もろもろを考えての合金製のメダルだとのことです。そして2020年東京大会では日本の都市鉱山から取れたそれらの金属からメダルがリサイクルされるとも聞きました。都市鉱山というのは、処分された電子機器や携帯電話の電子基板の中に含まれる貴金属の中から金などを得る事を言います。それが大変豊富にわが国にはあるので、世界に先駆けてリサイクルのメダルを作るのだそうです。
 そんなオリンピアン(オリンピック出場選手)にあこがれて若者がスポーツに励むのは素晴らしいことだとは思いますが、やはりわが国だけでもオリンピアンになれるのはほんの一握りの数です。彼らを頂点としてピラミッド状にとんでもない数の選手たちが存在し、日夜切磋琢磨しています。寸暇を惜しんで今から練習に練習を重ねて4年後を目指すのでしょうが、怖いのは怪我や病気です。ほんの些細な怪我でそれまでの努力が水泡となってしまうのです。
 そしてどんな選手にも引退があります。仕事は60歳まで引退はありませんがわずか30〜40代での引退をスポーツ選手は余儀なくされます。どっかの国のようにスポーツで活躍したら一生保証されるわけでもありません。スポーツ選手の努力を否定するわけではありませんが、私はコーチとしてそこまで育てるならその先の選手の事まで考える必要があるように思うのです。要領の良い人はスポーツ引退後大学の先生になったり、政治家になったりした人もいます。オリンピックで全精力を注いだアスリートたちが引退後も心配のない人生を送れるようになってこそ、真のスポーツ国家と言えるのではないでしょうか。
 若い時そのスポーツの練習量の半分いや1/3でも勉強にあてれば、スポーツで鍛えた精神力できっとまた新たな世界が開けると私は思います。でも人間(親)の欲望とはだんだん膨張してゆき、中学高校大学まで県外のその道に長けた学校に進学させます。その先どうなるのでしょう・・・「今、親がさせたく子どももしたいことだから先の事は考えません!」ある保護者のお話です。約10年前の話ですが、その子はもう24〜5歳ですが新聞のスポーツ欄で名前を見たことはありません・・・。