技術の進歩

 我が家でお米を炊いていたいわゆる「炊飯器」が壊れてしまった。単純に「炊飯器」と言えないのは、多目的レンジ鍋で毎朝その日食べる量だけ炊いていて、いつも炊き立てだからおいしいご飯だと信じて食べていたのだが、その多目的レンジが今回壊れてしまい炊飯器の購入に至ったのである。実に20年以上ぶりの炊飯器の購入だ。
 できるだけ安くていいものを買おうとネットで検索し、電気量販店で現物を見る。3合炊きや5.5合炊きなどマイコンタイプからIH圧力方式まで、値段も数千円から5万円以上の物まであった。主に使うかみさんに聞いてもよくわからないというので、マイコン式のよりはIH式のがおいしいとネットで知っていたので、主にそれを見ていたのだった。窯も銅でできたのもありきっと熱伝導率が高いから、よりおいしいご飯が炊けるのだろう。値段を見るとIH式でも2万円くらいだ。ちょうど大手量販店の割引クーポンが手元にあったから、同じ商品ならさらに安く買えるかもしれないとその店に行ってみたら、なんとIH式の銅窯の5.5合炊きが半額以下の値段で売っていたのである。それもそれが定価なのだ。ブランドはその量販店のブランドであったから、まずは間違いないだろうと判断して、早速購入した。
 翌朝早速炊けたご飯を頂いたが、お米だけでなくて我が家は雑穀十種を混ぜて炊いているにも関わらず、たいへんうまいのである。炊き立てがご飯はおいしいと信じて二十数年間鍋で炊いてきたが、われわれの想像をはるかに超える「技術の進歩」を炊飯器に感じたのであった。
 後でその炊飯器の事をネットで見たが、値段的にも大変お買得の商品だと紹介されていて、そのIH炊飯器のご飯はおいしいと載っていた。毎日プロが炊いたお店のおいしいご飯を食べようとは思わないが、やはりおいしいご飯を食べた時の嬉しさに、自分は日本人であると実感するのだった。
 ほんとにIH炊飯器はおいしいご飯が炊けます。