台風10号に思う

 1週間ほど前から気象庁が、この台風10号は近年我々が経験したことのない台風に発達し、進路によっては我が国に甚大な被害をもたらす可能性がある、と予報していた。ちょうど台風9号が九州に近づいていた頃で、もうそんな先の事が予見できるのか、と思いながら数日たってくるとその注意喚起は日ごとに大きくなってきて、2日前には多くの都市で避難勧告が発令されたのである。我が国が誇る、スーパーコンピューターの計算シュミレーションのおかげだとは思うが、改めて台風の災害を少しでも少なくしようと挑戦する、関係各位に頭が下がるのである。

 どこまでの未来が計算予測できるのだろう、とふと思った。きっとそのスーパーコンピューターは今までの台風のデーターを処理し分析して、現在の気象状況などを加味して計算予想しているのであろう。先の将棋タイトル戦でもAIが、事前に何億通りものあらゆる手を計算して勝敗を予想していたようだが、その計算とは全く違う手を藤井聡太 二冠は披露し、その勝利を手にしたのである。今回も幸い台風10号は日本近くで太平洋高気圧が思いのほか強くて、予想よりは日本近海で発達しなかったから、過去のように多くの犠牲者や甚大な被害が出なかったと、気象関係者が話していた。それらも今後の台風進路被害予想のデータとして次の台風予想には利用されるとは思うが、今人類が一番知りたいのは各個人の未来寿命予想ないだろうか。

 個人個人の病歴や行動データはそれぞれの分野できっとデータ化されている。我々の健康診断時に今のままではこういう病気になる恐れがあるから、今から気を付けてその予防をしましょうと教えてくれるのは、その一種のAI関連予想と言えるものだろう。その忠告に従って注意してゆけば、確かに健康に人生を過ごせる確率は高くなる。そしてその人の趣味や職業なども加わってデータ計算されると、より病気以上にけがや事故に遭う確率も計算されて、より詳しく未来の寿命が予見されるに違いない。

 ご存知かもしれないが、職種に応じて一般生命保険に入れないのである。カーレーサーやスタントマン、プロレスラーなどはなるほどと思うが、タクシー運転手も危険職種である。だから定年後にタクシー運転手でもアルバイトでやってみようかなどと思って、何かあった時に職業を正確に保険会社に伝えていなければ、最悪保険が下りない可能性があるのだ。だからそのアルバイトを始める前に、加入している保険会社に確認を取る必要はある。自動車保険も事故が多いとされている若年層は高いが、同じように高齢者の仲間に入ると再び高くなるのも同じような論理だ。

 保険料が細かくデータ計算で決められているように、加入者の寿命は平均何年間で病気で入院する可能性が高いから、今は年齢で保険料が決められているのが将来個人データにより、個人個人で保険料が違ってくるようにもなるかもしれない。またこの歳でスクーターに再び乗り始めてツーリングなど始めた私は、そうなると保険料はかなり高くなるかもしれないと思った。でも乗らなくても、車体を磨いたりパーツいじりをしているとうれしい自分であるが、仕事もできなくなって維持もきつくなったら手放すしかないだろうから、今のうちに益々乗っておきたくなった。

 今回の台風10号は私に日本の未来の保険制度まで考えさせたのである。