休日、家でくつろいでいると電話がなった。家族は居なくて渋々電話に出ると聞きなれない声、良く話を聞いていると以前参加していたサークルの知人からであった。あまり親しいと言うわけではなかったが、近所まで来ているのでお茶でもとなり近所のファミレスに出て行った。少し痩せたようだったが久しぶりの再会ですぐに昔話や、家族の事、今の仕事など話していると健康の話になった。50歳にもなれば多少おかしなところも出てくる。昨年喉の調子が悪く声が出にくくなって入院した事など話すと、目の色が変わり彼の愛用している健康食品の話になっていった。すぐわかった、健康食品の販売かそれを扱うネットワークのお誘いである事が。凄い会社で素晴らしい環境の生産設備、最高の成分で作られているから、最高の健康を手に入れられるというのである。説明している人があまり健康的に見えないのが気になったから、「サンプルは無いの？試してみて良かったら考えるけど、人に紹介などする気はない。」とはっきり言った。サンプルはなく自分や会社を信用して欲しいとの事。自分が使ってみて良かったら人に勧めたくなるし、そしたらその健康食品代がほとんどタダになり、またその友人がその知人に勧めたら今度は現金が入ってくるという。うまい話のようだが全部、仮の話。もしその健康食品が自分に合わず、友人に勧められなければ全く成り立たない話なのである。彼もそんなに親しくもない私に言ってくるぐらいだから、紹介者にさぞ困っていたにちがいない。一時間あまり話を聞いて帰ってきた。
MLMやネットワークがどうのこうの言うつもりはない。やりたい人はやればいい。しかし、ある意味で相手の危機感や恐怖心をあおり、人生観や価値観まで否定されると黙ってはいられない。大して親しくもない人からの電話は選挙の御願いだったり、宗教の勧誘だったり最近はネットワークのお誘いがほとんどである。また、最近短時間にやけに親しくなった人も要注意である。うまくその場で話を終えてもらえば反感までは感じないだろうが、しつこくされると逆に嫌いになる心理を分からない人が、勧誘している事自体に私は違和感を感じてしまう。先ほどの健康食品は最初全部で３０万以上かかり一通り試してみて、その中から自分に合う物を買う。それでも月々４〜５万かかるらしい。
あるお年寄りが健康診断に行くのに遅れてしまって、しばらく運転していない車を飛ばして運転し川への転落事故で亡くなった話を思い出した。まさに「命より大切な健康診断」、今の私に３０万円の健康食品は家族が生活できなくなる金額でこれこそ「命より大切な健康」を押し付けに来たのである。その彼がその後どのような人生を歩み、何歳まで生きるか見届けてやろうかと思った。皆様も大して親しくない人の電話や、最近異常に親しくなったお友達？のお誘いにはくれぐれもご用心を・・・・
