気になる俳優

 先週末話題のミュージカル映画「LA・LA・LAND」を観てきました。前に観た強烈な映画「セッション」を作ったデイミアン・チャゼル監督の作品らしく、ミュージカル仕立てにアメリカンドリームも載せた意外な展開の映画でした。
 若いころ何度かLA(ロサンゼルス)には行ったことがあります。そのインパクトは強烈で今でも鮮明に覚えています。片道6〜7車線のフリーウエイは映画などで知っているつもりでしたが、実際そこでラッシュなどに遭遇すると、日本の混雑など何なのだろうと感じました。でもそんな強烈なインパクトを私に与えたアメリカで車は日本車が多くて、看板などにも日本企業の名前が多くあり、電気製品などは日本製が一流製品として売られていました。さも日本製品アメリカを占領しているように私は感じ、その悪い予感は後で多大な貿易摩擦として問題になりました。でもこのアメリカなしでは日本は生きてゆけないと私は感じ、もっと深く知りたいと思いまず、英語を勉強し始めたのです。言葉だけでなく歴史や文化風俗などにも興味が沸き学びましたが、知れば知るほど大きくてわからない国でした。そして少し住んでみて自分は日本人だと改めて痛感しました。お風呂や畳そして和食の文化から決して離れられないのです。またアメリカにいる日系人は、自分たちのルーツである日本の精神を大変大切にし誇りさえしている姿に、今までの自分を大変恥ずかしく思い反省したのです。日本ではそれまで続けていた茶道を、さらに熱心に続けました。
 そんな話では今回はないのですが、林遣都(はやしけんと)という俳優に私は注目しています。前の朝ドラ「べっぴんさん」でドラマー役で出ていた人です。音楽を永くやってきてドラマーの事も知っている私ですが、映像から出てくる音の彼のドラミングは、とてもアテレコとは思えないもので何度も繰り返し見ましたが、本当に彼がたたいているようにしか見えなかったのです。でも実際はアテレコだったようでそのアテレコ技術以上に林遣都の演技はすごいと後で感心しました。強烈なエンディングの前記の映画「セッション」もドラマーが主人公でした。
 そして火花という作品が今放送されているますが、彼は漫才士の役で出ています。なかなかその漫才が面白いのです。いわゆるボケ役なんですが、演技とはいえその完成度に驚いています。芝居をしているような感じがなくナチュラルに見えるのです。ほかに大阪を舞台にした床屋の話にも出ていて散髪屋を演じたようですが、きっとさもプロに見えるような手さばきではなかったかと思います。
 まだ若い彼ですが、これからどんな役を見せてくれるか楽しみです。イケメンだとは思いますがやはり演技力以上の何かが、俳優には必要なのでしょうね。日本のロバートデニーロになりそうな気がします。

追伸、4月30日 火花の最終回が放送されましたが、なかなかの内容でした。そして注目の俳優「林遣都」さんはやはり熱演だったと思います。原作がそれなりに内容がある上にこのような実力のある俳優で演じられると、余計にその内容は増幅されて我々の心に突き刺さってくるのでしょう。原作が読みたくなりました。