半沢直樹

  この番組ほど次の放送が待ち遠しい番組は最近私にはなかった。銀行の世界のことなどはまったく素人だが、そこのかかわる人々の世界や人と成りを知るにつけて、だんだんこの番組の意図にはまってゆき、最後には時代劇のような勧善懲悪のドラマにどっぷりと浸らせられていたのである。

 出てくる役者の表情の面白い事、多分ドアップで何度もリハーサルをして本番に臨んでいるのだろうけれども、目の前であんな剣幕で実際にあんなことを言われたら、私などは恐れおののき洩らしてしまうかもしれない。ストーリーもハラハラドキドキシーンがたくさんあり、最初はだれが味方で誰が敵なのかがわからなかったが、最後は巨悪が退治されて一件落着であった。政界のドンの盆栽を女性大臣が投げ落とすシーンや、悪玉弁護士の失礼な言葉に「恥を知りなさい!」といさめるシーには思わず拍手してしまったのである。

 こんな勧善懲悪の話はいくらでもテレビドラマでは出回っていると思うが、なぜこの番組は見たくなるのか自分なりに考えてみた。やはり政治に対する、社会に対する、会社に対する、そして世の中に対する国民の腹の底にある本当の「怒り・不安」が、そういう気持ちにさせるのではないかと、このドラマから自分なりに結論を出せたのである。

 この番組は視聴率が20%以上とかはたまた40%近いとか言われているし、テレビドラマの衰退が叫ばれて久しいが、まだまだこれだけの作品が作ることができる可能性(ポテンシャル)をはっきり示してくれた番組であるのはまちがいない。来週からの日曜の夜がつまらなくなってしまい、7月19日から始まった今回の半沢直樹を見返しながら、もう次の「半沢直樹」が待ち遠しい私である。

 番組では「真のバンカーとは」という命題があの番組の根底にしっかり流れていた。だからか見終わった後に「真の塾教育とは・・・」などと再び考えたのであった。 

 

 このブログは10月6日 高知新聞朝刊読者欄に掲載されました。

 

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